親が住んでいた家、誰もいなくなったらどうすればイイの?
- 『親の家のたたみ方 (講談社+α新書)』
- 三星 雅人
- 講談社
- 907円(税込)
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少子高齢化や核家族化が生み出した問題のひとつ、「空き家」問題が、いま深刻な状況を迎えつつあります。田舎に暮らす両親が年老い、長期入院もしくは施設に入居、そして亡くなり、家には誰もいない状態に。家は人が住んでいないと傷みが早いものです。そのうえ庭の草は伸び放題、換気が出来ずカビも発生。売るといっても、家のなかには大量の荷物。
なんとかしないといけないとはわかっているものの、都会に暮らす子どもたちは生活に追われ、距離的・時間的・金銭的にもなかなか田舎に帰ることができず、見て見ぬふりをしているうち、家はますます荒れ果てた状態に......。
空き家問題に詳しい三星雅人さんによると、空き家率の全国平均は13.5%。関東大都市圏が11.4%、中京大都市圏が12.6%、近畿大都市圏が13.9%、そして三大都市圏以外は14.9%と、今や田舎のみならず都会も含め、日本各地で空き家率は年々高まっているといいます。とくに、一戸建ての空き家化は深刻なレベルなのだそう。
本書『親の家のたたみ方』では、三星さんが自らの取材経験を通して、現在の空き家にまつわる最新の状況を解説。そして実際、空き家問題に直面したとき、どのように対応すればよいのか、数々のケースをもとに提案していきます。
自宅から実家が近ければ、掃除や庭の草とり、空気の入れ替えに出向くこともできますが、それができない場合には不動産業者やなどが行っている「空き家管理サービス」を利用するのもひとつの手だと、三星さんはいいます。同サービスは月に1〜2回ほど空気を入れ替えたり、家電製品の動作を確認したりしてくれるのだとか。
また、警備会社でもより簡素な空き家管理サービスを行っているところがあるといいます。
「空き家や、入院や施設入居での長期の留守などに対応して、警備システムと連動させたり、巡回や郵便受けのチェックをしたりといったサービスが受けられる。家に上がって空気の入れ替えや掃除をするわけではないので、意外と安く、5000円くらいからだ。犯罪の抑止効果があるという警備会社のステッカーを貼ってくれるので、防犯効果やセキュリティサービスと連動という点では、安心だ。万一放火されたとしても、火災通報システムにより、被害も最小限にとどめられるだろう」(本書より)
交通費等を考えれば安いもの。近所の人たちの手前、こうしたサービスをひとまず利用してみるのも良いかもしれません。最悪の事態に陥ってしまう前に、本書にて空き家対策の方法を学んでみてはいかがでしょうか。