ジャンケンでわざと負けるだけで脳が鍛えられるってホント?
皆さん、「脳トレ」やっていますか?
脳トレといっても、以前流行ったゲームの脳トレではありません。あの当時の脳トレとは、そのほとんどが衰えを自覚しやすい記憶力や発想力を"鍛え直す"といったものでした。
しかし、医師であり、書籍『脳の強化書』の著者でもある加藤俊徳氏は、「なりたい自分」を手に入れるための脳トレを開発。従来の脳トレとは異なり、脳を積極的に"作り変えていく"トレーニングとなっているのです。
加藤さんは、人間にはもともと、「勝ちたい」「相手の上に立ちたい」という本能があると語っています。
「過去を振り返っても、人類の歴史は競争の歴史ですし、現代においてもライバル企業同士のシェア争いから、電車内の空席探しに至るまで、私たちは常に誰かと競争せざるを得ない状況にさらされています」(書籍『脳の強化書』より)
その上で、加藤さんは「ゲームでわざと負ける」こともひとつのトレーニングだと言います。同書で紹介されているテレビ番組での事例では、わざとじゃんけんで負けることに挑戦していました。実はこれ、かなり難しいのです。
相手がグーを出したら、チョキを出さなくてはいけないのに、思わずパーが出てしまう。これは、普段から「勝ちたい」という思考が強くインプットされているせいだというのです。加藤さんは、「たとえ後出しじゃんけんであっても『負ける』という思考が働かなくなっている」と同書で説明しています。
また、将棋や囲碁でこれに挑戦しても難しいようです。相手の次の手とそれに対する対処法を考え、何手も先を読んで勝負する競技ですので、負けるように戦うのは、そう簡単ではないのです。
「このように、わざと負けるようにゲームをすると、自分が置かれている状況を異なる立場からとらえる力が身につきます。この明らかな視点の移動が、思考系脳番地を幅広く使うことになるのです」(書籍『脳の強化書』より)
この思考系脳番地は、「こうなりたい」と強く望んだり、集中力を強くしたりする機能が集まっているところ。新たな脳トレに挑戦してみて、「なりたい自分」に近づいてみませんか。まずは手軽なじゃんけんから試してみてはいかがでしょう。意外と難しいことがよくわかります。