「ブスは嫌い」「働きたくない」毒舌・坂上忍が炎上しない理由

偽悪のすすめ 嫌われることが怖くなくなる生き方 (講談社プラスアルファ新書)
『偽悪のすすめ 嫌われることが怖くなくなる生き方 (講談社プラスアルファ新書)』
坂上 忍
講談社
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 毒舌芸能人の代名詞とも言える芸人・有吉弘行さん。そして、近頃その有吉さんに肩を並べているのが、「ブスは嫌い」「働きたくない」などと、自由な発言で再ブレークした坂上忍さんです。最近では、『笑っていいとも!』の後番組『バイキング』の司会の一人として抜擢されたり、交際中の一般女性との関係が報道されたりと、何かとメディアを騒がせています。

 歯に衣着せぬ物言いが魅力の坂上さんですが、なぜかバッシングや炎上とは無縁。ささいな発言でブログ・ツイッターが炎上してしまう昨今ですが、不思議とそのようなニュースは聞こえてきません。

 そこには、坂上さんの「誤解をまったく恐れていない」という姿勢が関係しているのかもしれません。

「僕、誤解されることに対して、なんの抵抗もないんですよね」これは、自著『偽悪のすすめ』の中での言葉。

 多くの人に受け入れられてもらおうと考えず、誤解も気にしない。そもそも、TVに映る限られた情報だけで人を理解できることの方が変で、「それは、理解でもなんでもなく、理解したフリなのかもしれない」と坂上さんは言います。

「そもそも理解する気なんてサラサラなくて......いや、元々、悪い方に理解したがるのが人の常だったりして......」とも。
 
 とはいえ、坂上さんは「理解されなくてもいい」と開き直っているわけではなく、時間をかけて本当の顔が見えてくればそれでいいと考えているのです。その点について、彼は自身の読書観になぞらえ、こう説明しています。

「一冊読んで、『あ、この作家はこういう思考の人種なんだ』と、決めつけに近い感情を持ったとしても、必ず次の作品も読むようにしています。で、次もまずまず面白ければ、その次も読む。そうしていくうちに『こういう人種』だと思っていたものが、徐々に変化を遂げていき、新たな輪郭が書き加えられていったり、一部が消しゴムで消されたり......と、しつこいほどの修正が繰り返されるなかで、ようやく本物の顔が見えてくる。僕はそれでいいと思っているだけのこと」(『偽悪のすすめ』より)

 時間をかけて人のことを判断してきた坂上さんだからこそ、人からの判断を急いでいないのかもしれません。ですので、先入観を持って自分のことを見てもらってもいいと言い切れるのです。

 不思議と炎上が少ないのは、そんな坂上さんの生き様に共感する人がいるからではないでしょうか。自著で「偽悪」をすすめる坂上忍さん......、実はいい人?

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