話題は「ななつ星」だけじゃない! 全国に「ご馳走列車」が増加中
- ノジュール編集部
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今年の「新語・流行語大賞」が「今でしょ」「じぇじぇじえ」「倍返し」「お・も・て・な・し」の4つに決まりました。当初から混戦が予想されていましたが、同賞史上初の4語同時受賞に。予備校講師、人気ドラマの主人公、東京五輪招致プレゼンテーションのそれぞれの"決め台詞"がトップに輝きました。
この流行語大賞ノミネート50語の中には、「ななつ星」も。10月15日にJR九州が運行を開始した"クルーズトレイン"の名ですが、その豪華さと行き届いたサービス、趣向を凝らした食事など、瞬く間に憧れの贅沢列車の代名詞になりました。
速さで勝る飛行機がLCC(ローコストキャリア)などで"安さ"を打ち出しているのに対して、列車は次から次へと新しい旅の形を提案しているように見えます。
その流行をキャッチして、50代からの旅と暮らし発見マガジン『ノジュール』が12月号で取り上げているのは"グルメ列車"。たとえば、熊本県八代(やつしろ)~鹿児島県川内(せんだい)を結ぶ第3セクター「肥薩おれんじ鉄道」では、今年「おれんじ食堂」の運行を始めました。なす紺の車体に、フォークとナイフのシンボルマークが印象的な食堂列車で、木をふんだんに使ったインテリアにテーブル席やカウンター席が。乗客が最初に驚かされるのはウェルカムドリンクのサービス。そして、おいしい食事はもちろんのこと、沿線の各蔵の焼酎が用意されていたり、土地の名産品で作られたデザートも味わえたり。また、駅に停まるたびにお土産がもらえるのも心憎いサービスです。車窓を楽しみながら、レストランやホテルのようなおもてなしを受けられるとは、まさに贅沢な乗り物といえるでしょう。ちなみに車体、内装のデザインはななつ星を手がけた水戸岡鋭治氏によるものです。
ドラマ『あまちゃん』で話題となった北三陸にも「東北エモーション」という食事を楽しめるジョイフルトレインが誕生しました。青森県八戸(はちのへ)~岩手県久慈(くじ)を走るご馳走列車で、現在のメニューは銀座の有名イタリアンレストラン「アロマフレスカ」の原田慎次シェフが監修を務めています。東北の食材を使い、会津桐の重箱に前菜を入れるなど、郷土の伝統工芸品を活用しているところも特徴的。食事を五感で楽しませてくれる演出です。
そのほか、国鉄時代の名車「キハ28」でイタリアンなどが味わえる「いすみ鉄道食堂車」(いすみ鉄道・千葉県)や"走る居酒屋"の異名をとる「おでんde列車」(京阪電気鉄道・滋賀県)など、全国各地で食と列車のコラボが増加中。"車食"ブームが来ているといってもいいかもしれません。
これからは、食事だけ、車窓だけではなく、どちらも味わえる欲ばりな旅に出かけてみてはいかがでしょうか?
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