萩原智子『魂のファイトめし』 第3回 鈴木明子さん

6歳からフィギュアスケートをはじめ、1997年の第1回全日本ノービス選手権Aクラスで3位。2000-2001シーズンでは全日本Jr.選手権で2位、全日本選手権で4位。2012年世界選手権3位の好成績。そして、来年2月にロシアで開催されるソチ五輪でのメダル獲得に期待! そんな鈴木選手にわたくし萩原智子が、鈴木選手のご飯にまつわるお話を伺ってまいりました。

――オリンピックも控え、アスリートの体調管理には重要な役割を担う食事ですが、気を付けられている点はありますか?

わたしは他の選手とはちょっと違うかもしれません。というのも、よく「節制しているか?」と聞かれるのですが、特にしていないんです。過去に摂食障害を経験していることもあって、神経質になりすぎちゃうところがありまして...。患った当初、かなり栄養指導も受けて、自分でも勉強をしました。その時に得た知識が頭に入っていることもあってか、食事に関しては特別な制限はしないようにしています。今日はお肉を食べたから、明日は魚を食べようとか、かなり緩いです。ただ、出てきた料理を見れば、どんな栄養素が含まれているかは大体わかるので、それをうまく利用している感じですかね。

――摂食障害になったのは、大学進学と同時に生まれ育った名古屋から出られたことが関係しているのでしょうか?

そうですね。スケートって観られるスポーツでもあるので、太りたくないというのがあって...。女の子にとって、思春期は太りやすい時期でもあるじゃないですか。でもわたしの場合、そんなに体重が上下することってなかったんですよ。でも逆にそれが、「自分は変わっちゃいけないんだ」っていうプレッシャーになっちゃって。高校2、3年のころは母が食事管理をしてくれていたからよかったんですけど、大学に進学してひとりになった途端、「管理ができなくなった」と周りから思われるのが嫌で、徹底しすぎてしまったんですね。お米も量らないと食べらなくなってしまって、食べること自体に恐怖心を持つようになってしまったんです。

――そんな厳しい状況を、どのように克服されたのか教えていただいてもいいですか?

母が付き添ってくれました。拒食症は完治に2、3年かかるのがあたり前と言われていているんですね。とても辛くて何もできない時期だったけど、それじゃスケートがいつまでもできないと思って、入院を拒んだんですよ。わたしの気持ちを母が理解してくれて、食べられるものから食べることを始めたんです。こんな自分でも受け入れてもらえるんだって思ったのが、克服のキッカケなんじゃないかなって思います。自分でもあたり前のことができないことにすごくショックを受けていたので、母がいてくれて本当によかったです。


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□■□ プロフィール □■□
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◆萩原智子
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1980年、山梨県生まれ。元水泳競技日本代表、2000年、シドニー五輪に出場。200m背泳ぎ4位、200m個人メドレー8位入賞。03年、日本選手権で史上初の4冠達成。04年現役引退。5年後に復帰を果たす。10年、30歳にして日本代表に返り咲き。順調な仕上がりを見せていた矢先、五輪前年である2011年4月に、子宮内膜症、卵巣のう腫と診断され、手術。手術後は順調にリハビリに励み、レース復帰。12年、JAPAN OPENで50m自由形短水路日本記録を樹立。ロンドン五輪代表選考会ではレベルの上がってきた女子自由形で、堂々と決勝に残り、意地を見せた。2013年6月、日本水泳連盟理事に就任。現在はテレビ出演や水泳教室、講演活動など多岐に渡る活動を行っている。


◆鈴木明子
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1985年、愛知県生まれ。フィギュアスケート日本代表。6歳からフィギュアスケートをはじめ、1997年の第1回全日本ノービス選手権Aクラスで3位。2000-2001シーズンでは全日本Jr.選手権で2位、全日本選手権で4位。2012年世界選手権3位の好成績を残し、世界国別対抗戦では1位に輝いている。来年2月にはロシアで開催されるソチ冬季五輪を控えている。

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