マネージャーが「向井理を捨てた理由」とは?

向井理を捨てた理由
『向井理を捨てた理由』
田島 未来
マイナビ
1,382円(税込)
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 昨年『悼む人』の舞台で主人公を演じ、話題を集めた俳優の向井理さん。2月には映画『きいろいゾウ』の公開も控えており、今後の活躍がますます期待されている俳優ですが、そんな彼を人気者に育て上げたある敏腕女性マネージャーをご存知でしょうか。
『向井理を捨てた理由』の著者、田島未来さん。同書では、ひたすらに夢へ向かって突き進んで行く彼女の様子や、女性ならいつかは訪れるであろう大きな変化に対する戸惑い・決意が綴られています。

 学生の頃からマネージャーになることを目指していた田島さんは、専門学校在学時より芸能事務所で働き始め、着々とマネージャーとしてのキャリアを積んでいきます。やがて「全部、自分の責任でやってみたい」という思いから転職を決意し、まったくカラーの異なる事務所で新たなキャリアをスタート。次に彼女は「男性俳優をマネジメントしたい」という目標を抱き、「向井理」という原石に出会い、猛アタックを開始。「男性俳優の卵」を手に入れました。

 俳優の卵「向井理」のマネジメントは次々と成功を収め、数年後には一躍人気俳優の仲間入りを果たします。向井さんを次のステージへと順調にマネジメントしていくなか、田島さん自身も人生の次なるステージ「結婚」という道を歩みます。田島さんと向井さん、二人でさらなる目標へと進んでいた矢先に起きた、ある〝異変″。田島さんの妊娠でした。

 これからのマネジメントプランがぎっしり詰まった二人の未来。まだまだ叶えたい夢はあるけれど、子どもとの時間を大切にしたい......辞める決心が膨らんでいくなか、「今辞めるのはもったいない」と夫や会社仲間から引退を反対され、彼女は大いに悩みます。

 最後に相談したのは今までともに仕事のパートナーとして歩んできた向井さん。彼の贈った言葉で、彼女は「向井理を捨てる」ことを決断しました。

 自分の夢や目標が達成されていく喜びは、なにものにも代えがたい。そんな中、結婚や妊娠という別の喜びが訪れたら。この2つの幸せの間で悩む女性は少なくありません。2つの喜びで異なる点はただ一つ。個人だけの喜びか、集団での喜びかの違いです。
結婚や妊娠を決意したということは、自分ひとりの人生ではなくなったということ。自分の夢ばかり追いかける時期は過ぎ、これからは家族という集団と向き合いながら歩んでいくことになります。

 決断をしたあとで、田島さんはこう述べています。
「未練はあります。 でも、後悔はしていません。」
 好きな仕事を全力でやったからこそ出てくるのであろうこの言葉。仕事と家庭の間で迷う女性を後押ししてくれる一冊です。

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