『くじけないで』の柴田トヨさん 「家政婦は見た!」が楽しみだった

くじけないで
『くじけないで』
柴田 トヨ
飛鳥新社
1,028円(税込)
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 98歳の時に刊行した詩集『くじけないで』がミリオンセラーとなった詩人・柴田トヨさんが、20日に老衰で亡くなりました。

 詩集では異例の150万部突破となった『くじけないで』。翻訳出版も、韓国をはじめ、台湾、オランダ、イタリア、ドイツ、スペインと展開し、各国で人気を集めています。100歳を迎えた2011年には『百歳』も出版しており、前作と合わせて200万部を突破しました。

 詩集『くじけないで』での柴田さんのプロフィールは、少しユニーク。趣味は、「若い頃は読書、映画・歌謡曲鑑賞。熟年時代は日本舞踊。現在は詩作」、好物は、「いなり寿司、里芋などの野菜の煮物」。そして、好きな俳優やテレビ番組についても紹介されています。まず、好きな俳優には、長谷川一夫、山本富士子、市原悦子、水谷豊。好きなテレビ番組は『家政婦は見た!』と『相棒』シリーズをあげています。いつまでも若々しかった柴田さんなら納得のセレクトです。

 また、夢は「自分の詩集が翻訳され、世界中の人に読んでもらうこと」。これについては、生前に「夢の実現」を確認することができたのではないでしょうか。


 「九十を越えた今 一日一日が とてもいとおしい 頬をなでる風 友からの電話 訪れてくれる人たち それぞれが 私に 生きる力を 与えてくれる」(『くじけないで』「生きる力」)

 一日一日をいとおしいと言う柴田氏。急ぎ足になりがちな私たちに、「もっとゆっくり生きてもいい」とアドバイスしてくれているのでしょうか......。

 柴田さんは、美しく、強い詩人でした。ご冥福をお祈りいたします。

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