意外にもいじめられっ子が多い? 海外セレブから読み解く生きる知恵
- 『セレブの黙示録』
- 辛酸なめ子
- 朝日新聞出版
- 1,404円(税込)
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テレビのワイドショーや、女性誌でも専門のコーナーが設けられるようになり、海外のセレブ文化は身近なものになりました。レディ・ガガやブリトニー・スピアーズ、リンジー・ローハンなどのファッションスナップを参考にし、ダイエット術を学び、熱愛や破局のリアリティ・ドラマに感情移入する。そんな女性は、多いのではないでしょうか。
漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さんが、数々の修羅場をくぐってきた海外セレブたちのエゴイスティックな生き方、内面の強さや強引さから「女子力向上のためのヒント」を探ったのが『セレブの黙示録』です。
お騒がせなセレブのたちの行動や言動を「恋愛」「美容」「仕事」「スピリチュアル」などの7つのテーマにまとめた本著。一見悩みがないように見えるほど、奔放なライフスタイルを持つセレブたちが、悩みやコンプレックスを克服して、今日に至っているということに驚かされます。
例えば、いじめられっ子だったのがレディ・ガガ。高校時代は、顔見知りの男子にゴミ箱に投げ入れられる学生生活を送っていたそうです。マイリー・サイラスは、クラスの女子たちにトイレに閉じ込められていました。『ハリー・ポッター』シリーズで知られるエマ・ワトソンは、ブラウン大学時代に授業中に正しい答えをいうと、「グリフィンドールに10ポイント!」などと、映画の台詞を叫ばれたとか。
歌手のケシャは、中学時代のクラスメイトたちにずっと無視をされていました。しかし、自分に自信を持ち、堂々とすることで難儀を切り抜けると、手に入れたのは並々ならぬ度胸。かのプリンスの邸宅に忍び込み、自らのデモテープを渡すという大胆な行動の源泉は、この時に培われたのかもしれません。
いずれのセレブにも共通するのは、逆境の中でも堂々とし、自らの才能と能力に自信を持ち続けたことです。温厚な日本人は、和を重んじ、自分を押し殺し、がまんしてしまいがちです。セレブたちのように押さえつけていた心を解放し、自己肯定をすることができれば、生きづらさは少しでも解消されるのかもしれません。