日本料理の名店「分とく山」の総料理長がおしえる、すてきな缶詰利用法

野崎洋光のおいしい節電レシピ
『野崎洋光のおいしい節電レシピ』
野崎 洋光
東洋経済新報社
1,296円(税込)
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 東日本大震災が起きてから半年が経ちました。

 震災直後を思い出すと、スーパーやコンビニの食料品の買占めが起きたのも記憶に新しいところ。そんな時に備えて缶詰を常備しておけば安心ですが、普段から積極的に使わないものだけに、どう料理すべきか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

 実は今、賢い主婦の間で缶詰そのものが見直されています。そのままでも食べることができる缶詰は、調理時間を短縮でき保存にもエネルギーを使わないので、光熱費や水道代を軽減できます。また、常温での流通・貯蔵ができる点からも、缶詰は地球に優しくエコロジカル。震災時などの非常食としてだけではなく、エコが叫ばれる今の時代だからこそ、再評価が高まっているのです。

 缶詰料理というと、あまりいいイメージを持たない人が多いかもしれませんが、「缶詰や瓶詰は、以前に比べてクオリティが格段に上がっている」と指摘するのは、有名和食店「分とく山」の総料理長・野崎洋光さん。最近の缶詰は「シーズンパック」と呼ばれ、野菜や魚の一番おいしい時期の、できるだけ新鮮なものが加工されているのだとか。それが下ごしらえ済みなわけですから、"旬"と"時間"が詰まった缶詰を使えば、時間をぐんと短縮しておいしい料理を作れると言います。

 そんな野崎さん、自著『野崎洋光のおいしい節電レシピ』の中で、「牛肉大和煮缶」でハヤシライスを、「さんまのかば焼き缶」でラタトゥイユを作るなど、ひと手間かけるだけで缶詰が見違えるような上品な料理になるレシピを紹介しています。作り方はどれも簡単で所要時間も5分から20分程度のものばかり。これも下ごしらえ済みの缶詰、瓶詰だからこそなせる技。調理時間が短く済むことは、それだけで省エネにもつながります。

 普段から缶詰を使った料理に親しんでおけば、いざという時にも困りません。家庭に一冊、常備しておきたい料理本です。

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