鉢の中に小さな庭をつくろう 寄せ植えのコツ

ふんわり咲くアネモネに小花を組み合わせた春の寄せ植え。横に伸びるワイヤープランツなどの葉ものが、鉢縁から広がりを感じさせる。撮影:田中雅也
1鉢に数種類の植物を植える寄せ植え。鉢の中に小さな庭、世界が出現します。一度はつくってみたいけどちょっと難しそうと思っていませんか。長年、園芸教室で教えていらっしゃる東京農業大学グリーンアカデミーの大出英子(おおいで・えいこ)さんにコツをうかがいます。

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■植物を組み合わせ長く楽しむ

それぞれの植物の花の見ごろは意外に短く、一年草には長い種類が比較的多くありますが、多年草や球根植物は1週間や10日ということも。開花期が異なるものを数種類組み合わせることで長く楽しめるのが、寄せ植えの魅力の一つです。1鉢で何倍も楽しめる、途中で味の変わるあめみたいです。
色形のきれいな葉ものを添えれば、花の途切れた間も楽しめます。植物を組み合わせることで一体感が出て、違う景色が生まれます。植物単体で見るのとはまた違う表情、魅力が見えてくるのです。
また、鉢をいくつも並べると場所をとるし、水やりの手間もかかります。大きめのコンテナでつくる寄せ植えなら水切れしにくいから水やりもラクです。

■失敗しながら植物の好みを覚える

園芸誌などにはたくさんの種類を使ったセンスのよい寄せ植えが載っていますが、初めてつくるなら3~4種類の季節の花を組み合わせ、2~3か月楽しめる寄せ植えがおすすめです。
慣れてきたら、咲き終わった花木や多年草を残して、季節の植物を足していく寄せ植えに挑戦してみましょう。冬に落葉したアジサイなどに早春の草花や常緑の葉ものを組み合わせれば、季節を楽しめるだけでなく水やりを忘れずに長く栽培できます。
組み合わせる植物は、日当たりや温度、水やりなどの生育環境が似たものをそろえます。苗のラベルや図鑑などで情報を集めます。水はけのよい用土(市販の培養土、またはそこに赤玉土を3割ほど加えたものなど)を使い、表土が乾いたらたっぷり水やりを。失敗を恐れずに挑戦してみましょう。
※テキストでは寄せ植えのつくり方を詳しく解説しています。
■『NHK趣味の園芸』2022年3月号より

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