大場惇也七段が出題! 「辺」に的を絞った詰碁

お勧めの上達法として多くの棋士は真っ先に「詰碁」を挙げます。とはいえ詰碁は苦手という方もいれば難しい問題を見るとやる気をなくしてしまうという方も多いでしょう。
そんな方にオススメしたいのが『NHK囲碁講座』別冊付録の「2択で簡単!詰碁トライアングル」。解答を2択に絞ることでできるだけ考える余地が少なくなるように設問を工夫しました。11月号では、大場惇也(おおば・じゅんや)七段が「辺」をテーマにした詰碁を30問出題しています。本稿では、その中から問題と解説を1問お届けします。

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こんにちは、棋士の大場惇也です。「詰碁トライアングル」の第2弾として、「辺」の詰碁を30問用意しました。
問題をパッと見た時に、範囲が広すぎたり、あまりにも変な形だと、解こうとする意欲がそがれてしまうという方は多いと思います。そのため問題を作るにあたっては、範囲を広げすぎず、できるかぎり実戦形になるように心がけてみました。
また、爽快感や意外性があり、解けた時に気分がよくなる問題が理想的だと考えています。そういった点にも気を付けながら問題を作成しました。
今回はどれも2択問題なので、ノーヒントで考えるよりもかなり易しくなっていると思います。失敗の手もなるべく急所になりそうな所に配置しました。「敵の急所は我が急所」という格言があるように、片方に打つともう片方に打たれて困るという問題もたくさんあります。Aに打った場合とBに打った場合を比較して読みを入れることで、問題の意図が見えてくるかもしれません。また、候補手以外にも有力だと思われる手があったら考えてみてください。さまざまな変化を読むことで、読みの力が向上していきます。
上達のためには基本をしっかり身に付けることが重要ですが、それだけでは面白くないと思いますので、いろいろと工夫を加えて作りました。中には少し難しい問題もあるかもしれませんが、解けなくても悲観せず、楽しみながら取り組んでいただけたら幸いです。
「詰碁トライアングル」は詰碁作家3人によるリレー方式となります。来月の河野臨九段の作品にもご期待ください。

■問 【黒先白死】碁の基本はスペースを狭めることです。どちらから狭めますか。


正解図/黒1(B)と上のほうから狭め、白2のオサエに黒3と出るのが正しい手順です。白4に黒5と急所へ一撃して白死に。白2で5と守った場合には黒4の両ノゾキがあります。

失敗図/黒1(A)と先に左のほうから狭めるのは手順前後です。黒3とアタリをかけてもツイでもらえず、白4と急所を守られてしまいます。
 ※この他の問題はテキストをご覧ください。
※段位とタイトルはテキスト発売当時のものです。
■『NHK囲碁講座』2021年11月号より

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