石田節子さん、着物でお正月を過ごすにはどうしたらいいですか?

落ち着いたグレー地に、梅柄を散らした無地感覚の付(つ)け下(さ)げは、帯合わせがしやすい。お祝いの装いには、「寿(ことぶき)」の文字をデザインした帯で。撮影:岡田ナツ子
新しい年がスタートするお正月は、着物を着るチャンスです。たんすに眠っているものや、譲り受けた着物があったら、ぜひこの機会に袖(そで)を通してみましょう。小物や色を意識するだけでも、お正月気分は演出できます。きものスタイリストの石田節子(いしだ・せつこ)さんが、着物でお正月を過ごすためのヒントをお届けします。

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■新年に着たい着物&帯

季節感を意識するのも、着物ならではの楽しさ。お正月に身につけるものは、色や柄などにどこか新しい年を祝う気持ちを表現したいもの。着る人だけでなく、まわりの人にも喜ばれます。
松がモチーフの小紋(こもん)と名古屋帯
初めて着物をあつらえる人にもおすすめしたい、正統派の組み合わせ。着物は松葉を矢羽(やばね)に見立てた控えめな模様を散らした飛び柄小紋。帯は白地に松菱(まつびし)を織り込んだ古典柄。無地感覚の小紋は帯合わせがしやすく、着用範囲の広い1枚。

 


雅(みやび)な小紋に宝尽くしの染め帯
氷割(ひわ)れ模様の地紋がおしゃれなクリーム色の小紋。多彩な模様で花びらを埋めた柄が、華やぎを添えている。同系色の濃い地に、宝尽くしと松竹梅の帯を合わせて。

 


 

■帯で新春らしさを演出

いつもの着物でも、帯を替えることで気分一新。ここではシンプルな2枚の着物を例に、帯合わせを楽しんでみました。グリーンの色無地(いろむじ)は昭和初期のアンティークで、銀箔(ぎんぱく)を織り込んだ白生地をグリーンに染めたものです。寿の紋が入っているので、帯も格調の高いものが似合います。えんじ色の着物は、草木染めの米沢紬(よねざわつむぎ)。遊び心のある軽めの帯で、楽しく粋な装いにしました。
 
綴(つづ)れの丸帯(まるおび)で重厚感を


結び文の模様で1年の縁を結ぶ

■『NHK趣味どきっ!自分流にはじめよう!日々、キモノ暮らし』より

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自分流にはじめよう! 日々、キモノ暮らし (NHK趣味どきっ!)
『自分流にはじめよう! 日々、キモノ暮らし (NHK趣味どきっ!)』
石田 節子
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