ビギナーは「3つの油」をそろえておけばOK

イラスト:伊藤美樹
サラダ油、米油、オリーブ油にごま油。中にはアマニ油やえごま油なんて見慣れない新顔も。スーパーの棚にはたくさんの種類の油が並んでいます。 油は日々の料理になくてはならないもの。それぞれの油の特徴をよく知って、迷わず使えるようになりましょう。料理研究家の瀬尾幸子(せお・ゆきこ)さんが、ビギナーにおすすめの3つの油と、それぞれの特徴を教えてくれました。

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■油は香りで選ぶ

油が料理に果たす役割は大きく分けて2つあります。1つは焼いたり、炒めたり、揚げたりするときに熱を伝わりやすくする役割。もう1つは、仕上げやドレッシングに加えて、料理に香りをつける役割です。香りが控えめな油はくせがなく、料理を選ばずに合わせられる万能選手。中でも菜種が原料のキャノーラ油や米油、白いごま油は酸化しにくく、炒め油や揚げ油に向いています。一方、香りの強い油は、その香りを生かして香りづけに使うのに向いています。
炒め物、揚げ物のための油と、香りを生かすための油。それぞれの目的を押さえれば、どれを使うかパッと決めやすくなりますよ。

■ビギナーは3つの油があれば

ビギナーは、香りづけには茶色いごま油とオリーブ油、加熱調理にはキャノーラ油の3つをそろえるのがおすすめです。この3つは安くて手に入れやすく、多くの人におなじみの香りと風味。ごま油とオリーブ油は、中華やイタリアンだけでなく、しょうゆやかつおだしなどの日本の調味料にも本当によく合います。ほかの香りの強い油はそれぞれくせがあって、なかなか万能には使えません。
ごま油は製法の違いによって、茶色と白色の2種類があります。いりごまからつくる茶色いごま油は、香り高さが特徴。中華風の香りづけにはこちらを使いましょう。生のごまからつくる白いごま油は、油ぎれがよく酸化しにくいので、揚げ物がカラッと揚がります。よく揚げ物をする人は、キャノーラ油のかわりに白いごま油や、同じく油ぎれがよい米油をそろえてもいいかもしれません。少し値が張るので、自分の好みやお財布と相談してみてください。
ちなみに「サラダ油」とは、サラダにかけられるような、生でも加熱しても使える油のこと。最近はキャノーラ油や菜種油など、原料名を入れた名前で呼ばれることが多いみたいです。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』連載「料理の前の前」2021年11月号より

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