のどの力が衰えるとどうなるの? 医師が解説

イラスト:尚味
「のど」とは、鼻と口から入ってくる空気や食べ物を、気道と食道に通すための中継地点です。のどの力が衰えてしまうと、体にどんな影響があるのでしょうか。耳鼻咽喉科・気管食道科専門医の渡邊雄介(わたなべ・ゆうすけ)さんに伺いました。

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健康寿命を延ばすために、筋トレをしたり、頭の体操をしたりする人は多いもの。しかし、「のどをきたえよう」と思う人は、あまりいません。のどの力が衰えると、どんな危機が訪れるのでしょうか?

■1 息が続かない

声帯がピタッと閉まらなくなり、声を出すときに息もれします。すると、しゃべりながら何度も息継ぎをしなければならず、息苦しさを感じてしまいます。

■2 誤嚥しやすくなる

食べ物や飲み物を「ごっくん」と飲み込むときは、のどのさまざまな筋肉が連携し合っています。のどの力が衰えると、誤嚥して(食べ物などが食道ではなく気道に入って)むせ込むことが多くなります。

■3 良い声が出なくなる

若々しくつやのある声も、声帯が老化すると、しゃがれた「ふけ声」になってしまいます。ふけ声が恥ずかしくて人と話さなくなり、認知機能が低下する高齢者も珍しくありません。

■4 いざというときに力が入らない

力を込めるとき、人は無意識にのどをグッと締めています。のどの力が衰えていると、重いものを持てなかったり、ふんばりがきかず転倒したりする危険性も高くなります。
※テキストではいつまでも元気に人生を楽しむための「のどトレ」を紹介しています。
■『NHKまる得マガジン 毎日すっきり!のどトレのすすめ』より

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