上野愛咲美女流棋聖が語る 女流本因坊戦の思い出

撮影:小松士郎
4月にスタートした講座「取れると楽しい!上野愛咲美のハンマーパンチ」。5月号では女流本因坊戦の対局の中から5局を紹介しています。講師を務める上野愛咲美女流棋聖が、女流本因坊戦の思い出を語ってくれました。

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女流本因坊戦は歴史が長く、現在第40期が進行中です。イメージとしては里菜(藤沢女流本因坊)先生と謝(依旻六段)先生がすぐに浮かんできます。お二人の挑戦手合(34〜37期・4年連続)がずっと続いていたので。夢中になって中継を見ていました。内容が面白く、そして勉強になりました。
おかしな思い出もあります。里菜先生が会話の中で、時々「ジョホン」という言葉を使っていました。私は何のことか分からずそのままにしていましたが、一年くらいしてようやく「女流本因坊戦」を略したものだと気付きました。ちょっと遅かったですね。
私は第38期に初めて女流本因坊を獲得しました。秋田県能代市で行われた第2局はよく覚えています。対局に遅刻しそうになったんです。
スマートフォンは対局室に入る前に預ける決まり。腕時計は使っていませんでした。何となくまだ大丈夫だろうと思っていたら、同行の棋院の職員の方がやってきて「急いでください」って言われてビックリ! 反省です。
でも、いいこともありました。中継を師匠の藤澤一就(八段)先生が見ていて、腕時計を買ってくれたんです! 大事に使っています。
※段位・タイトルはテキスト発売当時のものです。
■『NHK囲碁講座』2021年5月号より

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