ダドレア 非日常の白さとエキゾチックさを楽しむ多肉

無垢な白さが魅力のダドレアの人気種、仙女盃(せんにょはい)。春先に葉や花茎が赤く色づくことも。撮影:丸山 光
数多くの園芸家たちを惹きつけてやまない多肉植物の世界。ビギナーが驚き、マニアが感嘆する、その奥深い世界を、愛好家の方々がナビゲートする連載「さぁ、多肉ワールドへ」第3回では「ダドレア」を取り上げます。

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■非日常の白さとエキゾチックさを楽しむ

カリフォルニアからメキシコにかけて自生するベンケイソウ科のダドレア。緑の葉色のものもありますが、魅力はやはり白い粉をまとったエキゾチックな美しさ。春先から花も楽しめます。入梅のころから休眠に入り、その時期を通してさらに白くなります。
日本には以前より紹介されてきましたが、近年まであまり流通量がありませんでした。多肉植物のなかでも成長が早いほうで、自分好みの株姿に育てる楽しさが再注目されてきている多肉植物です。

■愛し続けるのは自分の物語と強く結びつく植物だから

「若いころに車窓から見たダドレアの白さが、いつまでも忘れられずにいるから、今でも栽培しているのです」
そう話してくださるのは、愛好家の土屋 保(つちや・たもつ)さん。多肉植物が好きで、とにかく自生地の近くに行きたいという一念で20代のころにカリフォルニアに留学。時間があれば車で多肉植物やサボテンを見て回っていたそうです。
家族と営む柑橘農家でありながら、依頼されて多肉植物の栽培も行ってきました。近年は、長年愛し続けてきたダドレアの生産にも力を注いでいます。ライバルを自生地と定め、いかに日本の環境下で、自生している姿の魅力的な部分を生み出せるかに挑戦しています。
多肉植物の栽培は、半分趣味で半分仕事、という土屋さん。それでもダドレアに惹かれ続けてきた理由を、こう教えてくれます。
「長い人生、ネガティブな思考になってしまうときもあります。そういうとき、若いころに見た景色の新鮮な感動がよみがえり、ダドレアが悪いものを洗い流してくれます。だから、ダドレアを育てているこのハウスは、一番大事な場所です」
長く1つの植物を愛し続けるには、自分自身の物語と強く結びつくような植物と出会うことが大事なのだそうです。
■『NHK趣味の園芸』2021年6月号より

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