戸辺 誠七段 将棋との出会いを振り返る

撮影:河井邦彦
プロ棋士の強さの秘密を知りたい。どんな方法で強くなったのか。どうしてその方法を選んだのか。そしてなにを目指して、どこまで強くなろうとしているのか。新連載「わが道をゆく〜強くなるためのメソッド〜」第2回に登場するのは、戸辺 誠(とべ・まこと)七段です。

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小学3年、9歳のときに父から将棋を教わりました。最初は面白さが分かりませんでしたが、父から「早指し二段森田将棋」というファミコンソフトを買ってもらって遊んでいるうちに将棋の面白さが分かってきました。後に「金沢将棋」というソフトを買ってもらってよく練習をしました。これは10秒将棋が指せるという当時としては画期的な機能が搭載されていて、六枚落ちの下手を持ってひたすら指していた記憶があります。最初のうちは全然勝てませんでした。
まだ覚えたばかりのころ、羽生善治竜王に佐藤康光前竜王が挑戦していた第8期竜王戦七番勝負の第4局を福島県の磐梯熱海で観戦する機会があり、対局者が盤を挟んでいる雰囲気を見てプロ棋士に憧れました。それがプロになりたいと思うきっかけになりました。
将棋を覚えて半年くらい、研修会の試験対局を受けましたが、8局指して8連敗。特別にG1というクラスを作ってもらって入会することになりました。
この時に、東京の将棋会館の販売部で羽生先生の扇子と、将棋の本を10冊くらい父に買ってもらいました。詰将棋や終盤の手筋が書かれた本で、金子タカシさんの『寄せの手筋』や『美濃崩し』、谷川浩司先生の『光速の寄せ』、日浦市郎先生の『Zの法則』などがありました。
この10冊を本棚に並べて、右端から読んでいきました。10冊全部を読み終えたらまた右端から再度読み返します。最初は1冊を読み解くのに1週間とか掛かるわけですけど、2回目は問題を記憶していたりもするので1回目よりは速く読破できるようになります。それを何度も何度も繰り返し、「あ、これはこうだね。これはこうだね」と図面を見て答え合わせをしているだけのような状態になりました。最後の方では1冊を読破するのに30分と掛からなかった。終盤をパターン化して覚えるにはいい方法だと思います。
※続きはテキストでお楽しみください。
※肩書はテキスト掲載当時のものです。
■『NHK将棋講座』連載「わが道をゆく〜強くなるためのメソッド〜」2021年5月号より

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