秘密兵器は乳酸菌飲料! ビギナーでもできるぬか漬け入門

撮影:福尾美雪
お菓子やパンの研究家というイメージが強い料理研究家のムラヨシマサユキさんですが、実は、おいしいぬか漬けづくりの名人! ビギナーにも上手においしくできる入門教室、開催です!

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■乳酸菌飲料で、発酵スピードがアップ!

僕がぬか漬けを始めたのは、10年前に今の家に引っ越してからです。新築のせいか、パンが思うようにふくらまなくて、ふと思いついたのがぬか漬けでした。ぬか床を育てて常在菌を増やせば、家の環境がよくなるのでは、と。結果、正解でした。ぬか漬けの乳酸菌効果で、パンの発酵がスムーズになりました。
僕のぬか床は、祖母から受け継いだ年代物です。季節によって、粉がらしや実ざんしょう、青梅、しょうが、陳皮(みかんの皮を干したもの)などで風味をつけたり、昆布や煮干し、干物の頭・骨などでうまみを補ったりして、自分の好みの味に育ったと思います。
今回、ビギナーの皆さんに紹介するに当たって、ゼロから始めても年代物のぬか床に限りなく近づけるレシピを模索して行き着いたのが、乳酸菌飲料を加えることです。発酵のスピードがアップするので、熟成前に腐敗しにくく、順調に育てやすいと思います。

■ぬか漬けQ&A

Q ぬか床がユルユルです
A 水を抜いて、足しぬかを。
ぬか床が緩くなるのは、漬けた野菜から水分が出るから。ぬか床を混ぜて表面に傾斜をつけ、ならします。半日おくと低い側に水がたまるので、清潔なペーパータオルで吸い取ってください。まだ緩い場合は、米ぬかと塩を足して堅さと塩分を調整します(米ぬか50gに対して塩5~6gの割合)。
Q 家を留守にするときは?
A 日数により段階的な対策を。
・1~2日間不在→冷蔵庫に入れ、帰宅したら室内に出します。
・3~4日間不在→ぬか床の表面を塩で2~3mm 厚さに覆って(写真1)冷蔵庫へ。帰宅したら室内に出し、塩と2~3cm 深さのぬか床を除きます。


・1週間以上の不在&ぬか床を休みたいとき→ぬか床をカップ2ほど冷凍用保存袋に入れて(写真2)冷凍庫で保存し、残ったぬか床は廃棄します。再開するときは冷蔵庫で自然解凍し、これをベースに米ぬか、塩、水を足して、新たにぬか床をつくります。

 


※ぬか床のつくりかた、漬け方はテキストで詳しく紹介しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2020年10月号より

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