秋の味覚を、だしいらずで手軽においしく
- 里芋の翁煮 撮影:蛭子 真
連載「割合でつくる だしいらずの和食」では、京都の老舗料亭の3代目、村田吉弘(むらた・よしひろ)さんが「だし」のかわりにうまみたっぷりの食材を使った料理を紹介しています。10月号では、とろろ昆布やきのこを使って秋の味覚をおいしく味わう秘けつを教えてくれました。
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■秋の味覚を、だしいらずで手軽においしく
今月は、昆布やきのこのうまみを生かした秋らしい煮物と汁物です。
とろろ昆布を使った煮物を翁(おきな)煮と呼びます。とろろ昆布がおじいさんのひげに似ているところから名付けられた料理です。今回は里芋を使いましたが、夏場ならとうがん、今の季節なら長芋を煮てもうまいです。煮物だけではなく、翁焼き、翁揚げ、翁蒸しといった料理もあり、「翁」は和食で幅広く活躍しています。
とろろ昆布は、昆布をブロック状に固めたものを薄く削ったもの。堅い昆布よりも、手軽に昆布のもつうまみが引き出せるので、ご家庭でもっと使われてもいい食材だと思います。熱湯を注いでしょうゆをたらすだけで、けっこうおいしい吸い物にもなりますから。
里芋は、甘辛い煮っころがしもええですが、さっぱりとした味わいの翁煮も、ぜひつくってみてください。
もう一品は、きのこのお椀(わん)です。きのこのうまみといえば、干ししいたけが代表的です。しいたけは干すことでうまみの種類も量も増え、戻し汁はええ「だし」になります。
生のしいたけやほかのきのこも、グルタミン酸といううまみを多く含んでいるので、だしがわりにもなる食材です。今回はしいたけ、なめこ、しめじ、エリンギ、4種類のきのこを使いましたが、お好きなものでかまいません。ただ、それぞれ違ったうまみをもっているのがきのこ。汁物にするなら、数種類のきのこを使ったほうが、より複雑なおいしさに仕上がるのでおすすめです。
寒さを感じる夜には、水溶きかたくり粉でとろみをつけ、おろししょうがを添えてみてください。体がじんわりと温まる汁物になります。これも和食ならではの知恵やと思います。
※つくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理』連載「割合でつくる だしいらずの和食」2020年10月号より
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■秋の味覚を、だしいらずで手軽においしく
今月は、昆布やきのこのうまみを生かした秋らしい煮物と汁物です。
とろろ昆布を使った煮物を翁(おきな)煮と呼びます。とろろ昆布がおじいさんのひげに似ているところから名付けられた料理です。今回は里芋を使いましたが、夏場ならとうがん、今の季節なら長芋を煮てもうまいです。煮物だけではなく、翁焼き、翁揚げ、翁蒸しといった料理もあり、「翁」は和食で幅広く活躍しています。
とろろ昆布は、昆布をブロック状に固めたものを薄く削ったもの。堅い昆布よりも、手軽に昆布のもつうまみが引き出せるので、ご家庭でもっと使われてもいい食材だと思います。熱湯を注いでしょうゆをたらすだけで、けっこうおいしい吸い物にもなりますから。
里芋は、甘辛い煮っころがしもええですが、さっぱりとした味わいの翁煮も、ぜひつくってみてください。
もう一品は、きのこのお椀(わん)です。きのこのうまみといえば、干ししいたけが代表的です。しいたけは干すことでうまみの種類も量も増え、戻し汁はええ「だし」になります。
生のしいたけやほかのきのこも、グルタミン酸といううまみを多く含んでいるので、だしがわりにもなる食材です。今回はしいたけ、なめこ、しめじ、エリンギ、4種類のきのこを使いましたが、お好きなものでかまいません。ただ、それぞれ違ったうまみをもっているのがきのこ。汁物にするなら、数種類のきのこを使ったほうが、より複雑なおいしさに仕上がるのでおすすめです。
寒さを感じる夜には、水溶きかたくり粉でとろみをつけ、おろししょうがを添えてみてください。体がじんわりと温まる汁物になります。これも和食ならではの知恵やと思います。
※つくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理』連載「割合でつくる だしいらずの和食」2020年10月号より
- 『NHKテキストきょうの料理 2020年 10 月号 [雑誌]』
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