ソラマメ栽培は冬越し時の草丈が重要!

撮影:栗林成城
タネまきの時期を守って適切な大きさで冬越しさせ、春になったら整枝(せいし)・摘心(てきしん)。じっくり育てて、初夏にはとれたてのソラマメを味わいましょう。栽培のポイントを、恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんが教えてくれました。

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■栽培のポイント 1  草丈15〜20cmで冬越しさせる

ソラマメは冬に低温に当たることで花芽(はなめ)をつける冬越し野菜ですが、元気に冬越しさせるためには苗の大きさが重要。大きすぎても小さすぎても耐寒性が弱くなり、枯れるリスクが高まります。最も耐寒性が強いのは、草丈15〜20cm。冬越し前までにその大きさに育つよう、タネまき時期を守り、寒さに耐えられる丈夫な苗を作りましょう。

■栽培のポイント 2  土作りのコツは酸度調整と元肥の化成肥料を半量に

ソラマメやエンドウなど、マメ科植物は酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間前までに苦土石灰(くどせっかい)をまいて酸性度の調整をすることが大切です。また、根には「根粒菌(こんりゅうきん)」と呼ばれる菌が共生しています。根粒菌はマメ科植物から栄養分を受け取る代わりに、空気中のチッ素を変換し(チッ素固定)、根に供給する性質があります。そのため元肥(もとごえ)の化成肥料は通常の半分の量でOK。これより多いと、さやの数が減る「つるボケ」になってしまいます。

■栽培のポイント3 摘心することで実の成長を促す

草丈が60~70cmになったら、枝の先端を摘心します。枝の先端あたりに花がついていても、心おきなく切ってしまいましょう。摘心すると茎葉の成長が止まる分、実に養分が回り充実した豆が収穫できます。また、ソラマメの大敵であるアブラムシは、新芽につきやすいので、摘心はアブラムシを発生しにくくする効果もあります。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2020年10・11月号より

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