親子4代棋士誕生! 張心澄新初段の師匠、張栩九段と小林泉美六段に聞く
- 撮影:小松士郎
令和2年度女流特別採用試験で7勝1敗の成績で入段を決めた張心澄(こすみ)新初段。会見では時折こぼれる笑顔が印象的。師匠でもあり、親でもある張栩九段と小林泉美六段にお話を伺いました。
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■──心澄さんの入段で4世代棋士が誕生しました。
張栩「心澄の曽祖父に当たる木谷實先生(故・九段)が5世代棋士を続ける夢をお持ちだったと聞いたことがあり、責任は感じていました。今回その夢をつなぐことができてほっとしています」
──心澄さんの囲碁人生は?
張栩「いつの間にか囲碁を始めてました。最初は楽しくなるような教え方を試行錯誤していました」
泉美「心澄が初めて大会(13路)に出たときは経験不足からうまく力が出せないことがありました。帰宅後、張栩がいろいろな棋風の対局相手役になって練習していたのを覚えています」
張栩「小6で院生に入りました。最近では少し遅めかもしれませんが、ある程度の実力になるまで待ちました。中2で運よく棋士になることができましたが、決して順調だったとは思いません。DクラスからC、それからBに上がるときなど、節目では必ず苦労していました。師匠としては年齢に合った成長がないと今後が厳しいと考えて、『今月上がれなければ院生を辞める?』と心澄に直接尋ねたこともあります。親の本音としては辞めてほしいとは思っていないので、複雑な気持ちでしたが」
■──ふだんの勉強方法は?
張栩「昔から勉強方法は細かく指導していました。私が棋譜覚えがよいと言えば一日千手以上覚えたり、私の詰碁を熱心に解いたりなど、性格は真面目そのもの。これだけ長時間の勉強を続けられるということは碁が本当に好きなんでしょうね。入段の1年前くらいだったでしょうか。心澄から勉強方法は自分で考えたいと申し出がありました。このころから自主性が生まれ、実力がぐんと伸びたような気がします」
■──家族で対局はしますか?
張栩「心澄がまだ弱いころに私と対局していたら置石の数がとんでもないことになってしまいました。そこで対戦相手はしばらくの間、泉美の役目となりました」
泉美「1年前は、かなり差を感じていましたが、急成長していつの間にか勝負を競い合えるようになっていました。最近では張栩に直接打ってもらう機会も増えましたね。妹の心治(こはる)も院生なので家族で碁の検討をすることも多いです」
張栩「入段したとはいえ、まだまだ実力不足で弱いです。これからもしっかりと勉強して、棋士として恥ずかしくない碁を打ってもらいたいと思います」
■『NHK囲碁講座』2020年8月号より
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■──心澄さんの入段で4世代棋士が誕生しました。
張栩「心澄の曽祖父に当たる木谷實先生(故・九段)が5世代棋士を続ける夢をお持ちだったと聞いたことがあり、責任は感じていました。今回その夢をつなぐことができてほっとしています」
──心澄さんの囲碁人生は?
張栩「いつの間にか囲碁を始めてました。最初は楽しくなるような教え方を試行錯誤していました」
泉美「心澄が初めて大会(13路)に出たときは経験不足からうまく力が出せないことがありました。帰宅後、張栩がいろいろな棋風の対局相手役になって練習していたのを覚えています」
張栩「小6で院生に入りました。最近では少し遅めかもしれませんが、ある程度の実力になるまで待ちました。中2で運よく棋士になることができましたが、決して順調だったとは思いません。DクラスからC、それからBに上がるときなど、節目では必ず苦労していました。師匠としては年齢に合った成長がないと今後が厳しいと考えて、『今月上がれなければ院生を辞める?』と心澄に直接尋ねたこともあります。親の本音としては辞めてほしいとは思っていないので、複雑な気持ちでしたが」
■──ふだんの勉強方法は?
張栩「昔から勉強方法は細かく指導していました。私が棋譜覚えがよいと言えば一日千手以上覚えたり、私の詰碁を熱心に解いたりなど、性格は真面目そのもの。これだけ長時間の勉強を続けられるということは碁が本当に好きなんでしょうね。入段の1年前くらいだったでしょうか。心澄から勉強方法は自分で考えたいと申し出がありました。このころから自主性が生まれ、実力がぐんと伸びたような気がします」
■──家族で対局はしますか?
張栩「心澄がまだ弱いころに私と対局していたら置石の数がとんでもないことになってしまいました。そこで対戦相手はしばらくの間、泉美の役目となりました」
泉美「1年前は、かなり差を感じていましたが、急成長していつの間にか勝負を競い合えるようになっていました。最近では張栩に直接打ってもらう機会も増えましたね。妹の心治(こはる)も院生なので家族で碁の検討をすることも多いです」
張栩「入段したとはいえ、まだまだ実力不足で弱いです。これからもしっかりと勉強して、棋士として恥ずかしくない碁を打ってもらいたいと思います」
■『NHK囲碁講座』2020年8月号より
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