タネありブドウをタネなしにする「ジベレリン処理」

憧れのシャインマスカットも自宅で育てられます! 栽培方法はテキストに詳しく掲載しています 撮影:田中雅也
果物のブドウが多く流通する8月。最近では、シャインマスカットのように「皮ごと・タネなし」で食べられる品種も人気です。苗木も多く出回っており、家庭で育てる人も増加中です。タネがあるブドウをタネなしにする「ジベレリン処理」という工程をご存じですか? 千葉大学環境健康フィールド科学センターの三輪正幸(みわ・まさゆき)さんに教えてもらいました。

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■実つきがよくなったり早く収穫できる効果も

デラウェアやシャインマスカットのようにタネなしが定番の品種も、本来はタネがあります。タネなしにするには、開花期前後にジベレリン処理が必要です。
また、シャインマスカットやゴルビーといった上級コースの品種の多くは、花が咲いても着果せず、実つきの悪いスカスカの房になることがあります(花ぶるい)。ジベレリン処理をすると実つきが改善され、果粒を肥大させる効果も期待できます。
さらに、ジベレリンには果粒の成熟を促進する効果もあり、処理をすることで2週間程度早く収穫できます。




■ジベレリンってなあに?

植物の生育を調節する植物ホルモンの一種で、ジベレリン水溶剤として市販されています。処理方法は、水で希釈してプラスチックのカップなどに入れ、花(果)房全体を一瞬浸します。処理の濃度や時期は品種によって異なるので、同封の取扱説明書の記載を守りましょう。
■『NHK趣味の園芸』2020年8月号より

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