夢を持つ子どもたちに教えたい 井山裕太棋聖の「金言」とは

日本棋院中部総本部所属の下島陽平(しもじま・ようへい)八段が綴るコラム「中部発!尾張なき旅」。今月は、棋聖戦第5局後の夜にあったうれしい出来事を語ります。

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井山裕太棋聖、河野臨九段の対決で行われた棋聖戦、井山棋聖の8連覇で幕を閉じました。
僕は第5局の解説のお仕事をいただき現地にいましたが、本当に見応えのある読み合いで、劣勢と思われた河野九段が勝利を収め、踏みとどまった対局でした。
河野九段は普段はすごく穏やかなんですが、このシリーズは大迫力! 読み合いのスリルを楽しんでいるかのようでした。
井山棋聖からすると、一時はAIの評価値も98%あたりまでいった碁を大逆転で落としたわけですが、そういう負け方のあと、どのように切り替えているのか。
この夜、久しぶりに井山棋聖とたくさん話をさせていただく時間がありました。たわいもない話から、真剣な話まで、本当に興味深く聞きましたが、その中でも特に印象に残ったのが、僕の弟子の話になった時のこと。
弟子が20目勝てそうな碁を30目勝ちにいくからドキドキする。と僕が言ったところ、
「自分と同じですね」
井山棋聖はこうボソッと言ったのです。
やはり、目いっぱい緩まない気持ちを持ってないと天下は取れない。目の前の負けも、緩まずに負けたならしかたがない。
いやー、すばらしい話を聞けました。
これから夢を持つ子たちに、井山棋聖から聞いた話をしてあげようと思ったものです。
■『NHK 囲碁講座』連載「中部発!尾張なき旅」2020年6月号より

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