食欲減退の夏におすすめ! いいことずくめの電子レンジ調理

麻婆なすもレンジだけでできあがり。つくり方はテキストに掲載しています 撮影・木村 拓(東京料理写真)
夏は食欲だけではなく、料理をする意欲も減退しがち。そんな時季におすすめなのが、電子レンジ調理です。簡単で早いだけでなく、ビタミンなどの栄養素の損失が少ないのも大きなメリット。料理研究家・管理栄養士の藤井恵(ふじい・めぐみ)さんが、電子レンジの上手な使い方とレシピを紹介します。

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■時間短縮だけではない いいことずくめのレンジ調理

電子レンジ調理は、マイクロ波が食品中の水分を振動させ、その摩擦熱によって食品の内部から熱を発する仕組みになっています。ガスや電気と比べ、調理時間を短くできるのが特徴で、湯を沸かしてゆでたり、油を使って炒めたりする手間が省けます。また、火を使わないため、焦がす心配が少ない、食品が内部から熱されるので生焼けや生煮えが防げる、少人数の料理でも上手につくれるなど、調理の強い味方になってくれます。

■ビタミン、ミネラルなどの栄養素の損失が少ない

レンジ調理は、栄養素の損失が少ないといわれています。例えば、カリウムやビタミンB群、ビタミンCなどの成分は、ゆでると汁に栄養素が流れ出てしまいます。その点、レンジなら、食品がもつ栄養素をムダなくとることができます。

■おいしくつくるためのレンジ調理のコツ

レンジ調理では、しばしば熱の通り方にムラが出ます。これは食品によって水分や塩分、マイクロ波の吸収率が異なることが主な原因とされています。これを避けるためには、調理は一度に行わず、時間を少し短めに設定して様子を見る、足りなければ時間を追加するという2段構えがおすすめ。
また、レンジにかけている途中、またはかけたあとに、全体をよく混ぜましょう。

■肉や魚が堅くなる、パサつきを防ぐには

レンジ調理では、肉や魚などのたんぱく質食品は、水分が抜けて、パサパサに仕上がることがあります。こんなときは水分の多い野菜と組み合わせてみましょう。野菜の水分で保湿しながら熱を加えることで、しっとりと仕上がります。また、下味にかたくり粉を加えてとろみをつけたり、水分やうまみを逃がさないようにしたりするのも一案です。
■『NHKきょうの料理』連載「シニアの元気はここから! からだ応援レシピ」2020年7月号より

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