女流棋士史上初の一般棋戦準優勝! 上野愛咲美女流本因坊の快進撃

撮影:小松士郎
2019年9月、歴史が動いた。上野愛咲美女流本因坊が一般棋戦にて女流棋士史上初となる準決勝進出を決めた。さらにそれだけではない。準決勝も快勝して決勝進出。自身が持つ記録をすぐに更新した。竜星戦決勝ではたくさんの報道陣が熱戦を見守った。今回の大活躍で近年の女流棋士のレベル向上を十分に証明したのは間違いない。

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■竜星戦本戦ブロックから7連勝!

上野愛咲美女流本因坊の快進撃は、シードで登場した本戦ブロックから始まった。早速、勝ち抜き戦で4連勝を果たし、見事に枠抜け。強敵ぞろいとなる本戦トーナメントへと駒を進めた。前回の本戦トーナメントでは、藤沢里菜女流立葵杯が1回戦で高尾紳路九段を破り、ベスト8へ進出している。これが女流棋士の最高成績だった。
上野は本戦トーナメントでも快進撃を続ける。1回戦で高尾九段、2回戦で村川大介十段に勝利して、一般棋戦でのベスト4進出を決めた。これは女流史上初の快挙。
上野の快進撃はまだまだ止まらない。準決勝では許家元八段を相手に勝利。自身の記録をすぐに更新して決勝進出を果たす。
そして、日本中が注目した決勝戦。相手は早碁棋戦三冠に輝いている一力遼竜星。一力を相手に堂々の内容で戦い、中盤の最後のほうでは勝勢を築く。一力の大石を召し捕っての優勝が目前まできていたが、一手のミスでこれまでの好局がふいとなった。惜しくも優勝とはならなかったが、近年の女流棋士の活躍には目を見張るものがある。
■『NHK囲碁講座』2020年1月号より

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