今年の病気・害虫を振り返る

食用ホオズキに発生したハダニ。
今年、番組と編集部の畑で発生した病気や害虫について、園芸病害虫防除技術研究家で農学博士の根本 久さんを交えて振り返り、原因や対処をお伝えします。次のシーズンの参考にしてください。

* * *


■Q ソラマメの葉が黄色くしおれ、さやも黒く変色した。茎を持つと、力なくスッと抜けてしまった。

A…茎の断面を見て、維管束(いかんそく/茎の中の水や養分が通るリング状の管)が茶色く変色し、引き抜いた根が腐っていたら「立枯病」の疑いがあります。土壌中のカビで起きる病気で、急激にしおれて枯れてしまいます。すぐに抜いて畑の外へ出し、可燃ゴミとして処分しましょう。
立枯病が発生した畑は、太陽熱消毒がおすすめ。7~8月にできるだけ深く耕し、腐葉土や細かく切った草、石灰チッ素50~100g/平方メートルをまいてよく混ぜます。周囲を盛り上げてたっぷりと水を入れて穴なし透明マルチで覆い、4日ほど水を補給しながら保ち、その後30~50日間おいておきましょう。
酸性土壌で発生しやすいので、植えつけ前に土壌酸度をpH6.5~7.0に調整します。連作を避け、同じ場所では4年以上あけます。なお前年、隣の畝(うね)でラッカセイを育てていましたが、マメ科植物はマメ科植物の生育を抑制する物質を出すので、それも影響しているかもしれません。

■Q 2019年の8月は最高気温30℃超えが続く高温乾燥だったが、食用ホオズキの葉に小さな白い斑点ができた。葉裏をよく見ると、小さな虫が動いていた。

A…ハダニの発生です。葉裏について吸汁し、多発するとクモの巣のような網をかけ、油断していると株の生育が衰えます。
高温乾燥時に多発しやすいので、強い雨のようにバサバサと水を当てます。ポリマルチなどをしていたら、はがして、敷きワラや敷き草に替え、雨がなければこちらにもジョウロで水をかけます。トンネルがけなどをしていたら、雨が当たるように外します。
※続きはテキストでご覧下さい。
■『NHK趣味の園芸やさいの時間』2019年12月・2020年1月号より

NHKテキストVIEW

NHK趣味の園芸やさいの時間 2019年 12 月号 [雑誌]
『NHK趣味の園芸やさいの時間 2019年 12 月号 [雑誌]』
NHK出版
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム