台所を「禅式」に整えよう

撮影:本多康司
禅において、食事は修行であり、典座寮(てんぞりょう/台所)はその修行を支える大切な場所。清潔に保つことはもちろん、すばやく丁寧に仕事ができるように整えておく必要があります。そんな禅の知恵を生かして、台所をストレスフリーな環境に整えましょう。曹洞宗八屋山普門寺副住職の吉村昇洋(よしむら・しょうよう)さんがアドバイスしてくれました。

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■仕事をしやすく整えるべし

禅の修行道場では、典座(てんぞ)という役職の僧が料理を担当します。全員分の食事を作る大変な仕事ですが、修行僧であるからには、早く仕事を終わらせて坐禅をしなければなりません。仕事場である典座寮には、そのための合理的な決まりごとがたくさんあります。たとえば、重い道具を低い場所に置き、軽い物を棚の上のほうに置く。使った道具は、すぐ定位置に、向きをそろえて片づける。
ご家庭でも、台所を「禅式」に整えれば、合理的にすばやく作業ができます。そうすることで、調理中のストレスがなくなり、丁寧な仕事ができるでしょう。

■今回の禅のことば 「可安高処、安于高処(こうしょにおくべきは、こうしょにおく)」

道元著『典座教訓』より。「可安高処、安于高処」のあとに「可安低処、安于低処」と続き、「高い所に置いてよいものは高い所へ、低い所に置くべきものは低い所へ置きなさい」と述べている。食器や道具を適切な位置に納めれば、手際よく料理できる。当たり前のことを大切にせよ、との教えだ。
※テキストでは、そうじのポイントを詳しく紹介しています。
■『NHKまる得マガジン 暮らしもココロもリフレッシュ! 禅式おそうじ術』より

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