みんなでワイワイ! たねダンゴ

みんなで楽しくおしゃべりしながら「たねダンゴ」づくり。撮影:桜野良充
タネから草花を育てるのは難しそう……。そう思ってはいませんか? じつは「たねダンゴ」なら園芸の初心者でも失敗せずに育てられ、みんなで楽しみながらタネまきができるんです! 「たねダンゴ」の手法を日本中に広める活動を行う、グリーンアドバイザーの小杉波留夫(こすぎ・はるお)さんにたねダンゴについて教えてもらいました。

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■土のダンゴが花いっぱいに

「たねダンゴ」は、土や肥料をダンゴ状に丸め、そこに草花のタネをつけて植えつけるという、とてもシンプルなものです。もともとは、東日本大震災の復興支援活動の一つとして生まれました。
「花いっぱいキャンペーン」の委員長として被災地を訪れた小杉さんは、当初プランターと苗を持っていったり、タネを配ったりしました。ところが、地元の人たちがタネから花を育てるのは難しかったそうです。そんななか、被災地のグリーンアドバイザーの方が、土をこねてダンゴ状にすれば子どもたちでも簡単にできるのではと試作。それをヒントに、タネ選びや土の配合、つくり方などを研究し、現在の形になったそうです。
今では被災地だけでなく、緑化フェアなど全国に「たねダンゴ」活動が広がっています。

■花がとりもつ人の交流

6月下旬、豊洲市場のすぐそばにあるマギーズ東京の前の広場で、「たねダンゴ」づくりと植え込みのイベントがありました。マギーズ東京は、がん経験者や家族など、がんの影響を受ける人たちを支援するNPO法人。当日は、マギーズ東京を利用している人たちやスタッフ、豊洲の小学校に通う子どもと保護者、商店街の人たちのほか、江東区のコミュニティガーデンで活動する人たちも参加しました。都会ではなかなか経験できない土いじりに、子どもだけでなく、大人も一緒になって、終始にぎやかでした。
発芽してからは、月1回ボランティアで管理をしながら、9月の花束づくりを迎えます。草花をきっかけに、人が集まり自然と会話が生まれるのも「たねダンゴ」の魅力です。
※テキストでは「たねダンゴ」のつくりかた、おすすめの草花を紹介しています。
■『NHK趣味の園芸』2019年9月号より

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