羽根直樹九段から、弟子であり娘の羽根彩夏初段へ贈る言葉

上/羽根直樹九段、下/羽根彩夏初段 撮影:小松士郎
新しく入段した棋士を師匠が紹介する連載「師匠が見た! NEWフェイス」。今月は羽根直樹(はね・なおき)九段と羽根彩夏(はね・あやか)初段が登場しました。

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今回の入段は女流特別採用推薦棋士の枠が多かったので、入段したと聞いて、うれしい気持ちはありましたが、まだまだ実力不足なのでは、という不安もありました。基本的な考え方や定石など、常識的なことで知らないことが意外と多いのです。とはいえ、攻めっ気が強く、工夫して構想を練るのが得意なタイプですから、足りない部分があってもこれから一緒に学んでいけたらと思っています。
囲碁を覚えたのは2〜3歳のころでした。羽根家は棋士一家ではありますが、何が何でもプロに育てようというわけではなく、囲碁を一生の楽しみとしてくれればいいと思っていましたし、院生時代も娘だからと意識することはなく、他の院生と同じように接してきました。入段記者会見では、本人も「羽根先生の娘と言われないように頑張ります」と言ったそうですね。
入段することができたのですから、常に目標を立てて、少しでも上を目指してほしいですね。女流のタイトル争いに加わったり、世界戦で戦ったりと、さらに上を貪欲な姿勢で狙い続けてほしい。
そして、多くの囲碁ファンに愛され、応援してもらえる棋士になってくれればと思っています。
■『NHK囲碁講座』2019年7月号より

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