フライパンを温めないと、いいこといっぱい!

中まで火を通すのが難しいハンバーグもこのとおり! 撮影:福尾美雪
毎日の料理を少しでも簡単に、手早く、おいしく! 私たちのそんなささやかで切実な願いをかなえてくれるのが、“フライパンに材料を入れてから火にかける”という調理法。その魅力を、料理研究家の武蔵裕子(むさし・ゆうこ)さんに教えてもらいました。

* * *

「フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、……」というフレーズ、料理レシピでよく見かけますよね。でも、その“料理の常識”に「待った!」の声が!?
「フライパンを熱したが最後、“一気に調理を進めなければ”と、バタバタしがち。肉や魚が焦げついたり、火が通りすぎて堅くなったり、パサついたりといった失敗の原因にもなるんです。でも、フライパンが冷たい状態からスタートしてゆっくりと火を通せば、そういった失敗を防ぎ、焼く・煮る・揚げるといったさまざまな調理がうまくいくんです。この方法だと、従来のやり方でつくるよりも簡単においしくできるので、料理ビギナーさんほど便利さを実感できると思いますよ」(武蔵さん)

■フライパンを温めないメリット BEST3

1 生焼けなし!
ハンバーグなどの厚みのある肉を熱したフライパンで焼くと、表面は高温で一気に焼けて焦げてしまい、中は生焼け状態になりがち。冷たいフライパンに入れてから火にかけ、低温からじっくり火を通すことで、生焼けを防げます。
2 少量の油でヘルシー!
深さ1cmにも満たないごく少量の油をフライパンに広げ、素材を入れてから火にかける方法で、ヘルシーでおいしい揚げ物がつくれます。またハンバーグなどを焼くときの油も、高温で焦げる心配が少ない分、減らせます。
3 洗い物が減ってエコ&時短!
フライパンを温めない調理方法なら、切った野菜はまな板からフライパンへ。いったんざるなどに移す必要がなくなります。またフライパンの中で食材と調味料を混ぜることができるので、ボウルいらず。洗い物の手間が自然に減ります。

■フライパンの選び方

温めずに調理をスタートする場合のフライパンは、鉄製ではなく、樹脂加工がしてあるものを選びましょう。ここでは直径26cmのものを使用しています。深さは6~7cmくらいがおすすめ。また、蒸し焼き調理に使うふたも用意を。中が見えるガラスのものが便利です。
※テキストでは、フライパンを温めずにつくるハンバーグや肉じゃが、豚カツのつくり方を紹介しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2019年6月号より

NHKテキストVIEW

NHKきょうの料理ビギナーズ 2019年 06 月号 [雑誌]
『NHKきょうの料理ビギナーズ 2019年 06 月号 [雑誌]』
NHK出版
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム