盆栽で楽しむヤマアジサイ

純白のヤマアジサイが咲く初夏の坪庭。撮影:竹田正道
青や白、ピンク、赤の楚々とした花が、初夏の訪れを知らせてくれるヤマアジサイ。小さな庭やベランダでも楽しめる盆栽で、わびさびの風情を味わってみませんか。盆栽家の山田香織(やまだ・かおり)さんが、その魅力を紹介します。

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■楚々とした花を一輪一輪愛でる

ヤマアジサイは、春から初夏の季節の変わり目に、小型の愛らしいガク咲きなどの花を咲かせます。
盆栽では鉢が小さい分、庭植えより花が小ぶりで、花数も少なくなりますが、小さな空間に咲く花を一輪一輪愛でるのは、茶花のようなわびさびの風情があり、なんとも味わい深いものです。
毎年花後に切り戻して枝を更新するため、通常の盆栽のように剪定や針金成形で枝をつくり込むことができず、盆栽家にとっては難しい樹種ともいえます。反対に、初心者は草もの盆栽感覚で、気軽にスタートすることができます。
盆栽で楽しむには、初めは枝が数本、花2〜3輪の小さな苗木を求め、ほかの草花と寄せ植えにして、華やかさを添えるとよいでしょう。ただし、寄せ植えのまま植えっぱなしにすると、次第に草花に負けて枝が細り、花がつかなくなります。2年に1回は植え替えをしましょう。植え替え時に草花を減らしたり、鉢を少しずつ大きくしていくと、株立ちの大株に仕立てることができます。
枝がつくり込めない分、花だけでなく、時間とともに変化していく株の姿や景色を楽しんでください。
※テキストでは盆栽向けの品種の紹介、寄せ植え盆栽のつくり方を掲載しています。
■『NHK趣味の園芸』2019年5月号より

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