黄色い花と虫のヒミツ

冬から早春に咲く黄色い花の代表格、福寿草。撮影:今井秀治
養蜂家でもあるガーデナーの永江晴子(ながえ・はるこ)さんに、花と虫の関係という視点で春の花、黄色い花のヒミツを教えてもらいました。

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■花が生きものを誘うのです

花に色があるのは、生きものを呼ぶためです。昆虫は、花の蜜や花粉を求めてやってきて、蜜や花粉を得る代わりに受粉の手伝いをする役割を担っている媒介者なのです(鳥や風が媒介になる場合もあります)。
冬から早春にかけて、黄色い花がたくさん咲きます。黄色の色素・カロチノイドは寒暖に強く、厳しい環境でも壊れにくい色素なので、冬でも退色しにくく色鮮やかな花を咲かせ、虫たちを誘うことができるのでしょう。

■人間とハチは見える世界が違う!?

ミツバチをはじめとするハナバチやアブの仲間は、赤色は見えていなく、世の中全体が青っぽく見えています。黄色い花も紫っぽく見えますが、黄色は花の色の中では見つけやすい色のようです。また、人間には見えない紫外色(紫より外側の色)が認識でき、イヌ以上といわれる嗅覚もあるため、花を見つけることができるのです。
■『NHK趣味の園芸』2019年1月号より

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