素揚げのごぼうをガサッとのせて! 思い出のカレーうどん

撮影:野口健志
あるお店の常連だった坂田阿希子(さかた・あきこ)さん。今はもうなくなってしまったそのお店で必ず食べていたという思い出のカレーうどんを紹介してくれました。あめ色たまねぎを手早くつくる秘けつは必見です!

* * *

買い出しの途中、空腹になるとあの店に駆け込みたくなる。
まだ買い物もそこそこなのだが、あの味を思い出すとどうしようもなくなり、一刻も早くあの店のテーブルにつきたくなるのだ。それはお昼どきだけ限定のカレーうどんだった。
あのカレーうどんは特徴的で、だしの効いたサラサラのスープに細めの稲庭うどん。それがうなるほどおいしかった。小鉢が2〜3品ついて、私は決まって白いご飯付き。きょうこそはほかのメニューを試そうと思うのだけど、テーブルにつくと「いつものアレでしょ」と必ずカレーうどんが運ばれてくる。それほどに通ったお店は残念ながら、今はもうなくなってしまった。時々思い出しては自分で試し、ようやく気に入ったレシピができたのが今回ご紹介する「ごぼうのカレーうどん」。
本当はごぼうは入ってなかったけれど、サクサクと揚げたごぼうがカレー風味にピッタリで、今の私はこちらのほうが好みかもしれないなぁ。
さて、つくり方。ベースのしょうがとたまねぎをすりおろし、あめ色に炒めていきます。ここでサカタ流、あめ色たまねぎがちょっとだけラクチンになる秘けつをご紹介。
最初から、たまねぎの水分をとばすような気持ちで、思いきって強めの火でしっかりと炒めます。しっとりしてきたら、ハイ、放置。え? 放置?と思うかもしれませんが、ハイ、放置です。私はこの間にお皿を2枚ほど洗うことにしています。当然、鍋底が茶色に焼きついてきますよね。そこを目がけてグルグルッと混ぜ、混ぜたらまた皿を洗う。グルグルッ、洗う、を繰り返し(洗うお皿がもうないかもしれませんが。笑)、これはもうたまねぎと自分との競争という気持ちで、どんどん色をつけていきます。この方法、ラクチンで早くあめ色のたまねぎができ上がるのですよ。
次に、カレー粉を炒めていい香りがしてきたら、ふるった小麦粉も加えて炒め合わせます。そして、ちょっと濃いめにとっただしを少しずつ加えて溶きのばし、煮立ったら調味料と牛乳を加えます。最後に生クリームを加えるとマイルドで全体が一つになじむ感じになって程よいとろみもついてきます。ごぼうはピーラーで薄く削って素揚げにしましょう。
うどんをゆでて器に盛り、さぁ、あっつあつのカレースープをかけるとき。カレーのにおいって本当に魅力的。空腹指数がもう最高潮になってきます。ごぼうは揚げたてを別皿に盛って添え、食べるときに上にガサッとのせるのがおいしい。そして、大根の甘酢漬けは、やけど寸前の口の中を爽やかに駆け抜ける風になってくれます。このカレーソースは白いご飯にもピッタリ。
あ! 時には、カツカレーのソースなんかにも最高ですよ。
※詳しい分量とつくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2019年1月号より

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