ミートパイにザクッ! ナイフを入れる瞬間の幸せ
- 撮影:野口健志
ホームパーティーや手みやげに打ってつけのミートパイ。坂田阿希子(さかた・あきこ)さんが、独自のアレンジを加えたとっておきのミートパイを紹介します。
* * *
レストランで働いていたころ、前菜メニューの一つにミートパイがあった。
オーダーが入るとオーブンに入れ、焼きたてアツアツにたっぷりサラダを添えて客席に出したら、お客様がザクッとナイフで切るまでをどうしても見守りたくなる。鶏のレバーやハーブをふんだんに使ったそのパイからは、とにかくいい香りがたち上る。わ〜っ!とクンクンするお客様の顔を確認したくなるのだ。バターが何層にも折り込まれたサクサクのパイから、ふんわりと漂うハーブとお肉のなんともいい香り。
そのパイを思い出しながら、さらに私好みにアレンジしたのが今回ご紹介する「ミートパイ」です。
ハーブとレバーはそのままに。そして、ゆで卵と生クリームを少し加えてさらにマイルドで、甘みをもたせたこのミートパイ。冷凍パイシートを使ってしまえばつくり方はとっても簡単です。
まずはパイに詰めるフィリング。鶏レバーは下処理してみじん切り、ひき肉、そして炒めて香りを出したマッシュルームにたまねぎとにんにく、塩、スパイスを練り合わせます。このフィリングをまず半量だけ炒めましょう。粗熱を取り、残しておいた生のフィリングと混ぜ合わせます。これが焼き上がったときにしっとり仕上がる大事なポイントです。パセリ、セージをたっぷり加えたら、ゆで卵と生クリームを加えるのがサカタ流。
冷凍パイシートは常温に出したとたんにどんどん柔らかくなるので、ここからは手早く。20cm角のシートを使う場合、十文字に4等分し、2枚を1組にしてつくります。4枚のうち2枚は麺棒で一回り大きくのばし、残りの生地の周りにサッと卵液を塗り、真ん中にフィリングを山盛りにのせます。のばしたパイシートをのせたら、空気を抜きながらしっかり押さえましょう。天板に移し、生地の周りをフォークでピッピッピッと押さえてとめ、卵液を塗ってナイフで2か所ほど空気穴を。この卵液、砂糖をほんの少し入れると、きれいな焼き色がつきやすくなりますよ。
200℃のオーブンに入れたらじーっとオーブンの前でパイを見守りましょう。ぷ〜っとふくらんで、ツヤツヤといい焼き色がついてきて、いいにおいが流れてくるのを見るのってとても楽しい。あとは焼き上がりを待つばかり。
たっぷりのサラダを添えて盛りつければ、レストランみたいな一皿が。さぁ、これを食卓に出したあとは、ザクッとナイフで切るところを見届けなくては。クンクンと香りを堪能しているお客様の顔を見るのが私は好き。幸せの顔ってこんな表情かなっていつも思います。
※詳しい分量とつくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2018年12月号より
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レストランで働いていたころ、前菜メニューの一つにミートパイがあった。
オーダーが入るとオーブンに入れ、焼きたてアツアツにたっぷりサラダを添えて客席に出したら、お客様がザクッとナイフで切るまでをどうしても見守りたくなる。鶏のレバーやハーブをふんだんに使ったそのパイからは、とにかくいい香りがたち上る。わ〜っ!とクンクンするお客様の顔を確認したくなるのだ。バターが何層にも折り込まれたサクサクのパイから、ふんわりと漂うハーブとお肉のなんともいい香り。
そのパイを思い出しながら、さらに私好みにアレンジしたのが今回ご紹介する「ミートパイ」です。
ハーブとレバーはそのままに。そして、ゆで卵と生クリームを少し加えてさらにマイルドで、甘みをもたせたこのミートパイ。冷凍パイシートを使ってしまえばつくり方はとっても簡単です。
まずはパイに詰めるフィリング。鶏レバーは下処理してみじん切り、ひき肉、そして炒めて香りを出したマッシュルームにたまねぎとにんにく、塩、スパイスを練り合わせます。このフィリングをまず半量だけ炒めましょう。粗熱を取り、残しておいた生のフィリングと混ぜ合わせます。これが焼き上がったときにしっとり仕上がる大事なポイントです。パセリ、セージをたっぷり加えたら、ゆで卵と生クリームを加えるのがサカタ流。
冷凍パイシートは常温に出したとたんにどんどん柔らかくなるので、ここからは手早く。20cm角のシートを使う場合、十文字に4等分し、2枚を1組にしてつくります。4枚のうち2枚は麺棒で一回り大きくのばし、残りの生地の周りにサッと卵液を塗り、真ん中にフィリングを山盛りにのせます。のばしたパイシートをのせたら、空気を抜きながらしっかり押さえましょう。天板に移し、生地の周りをフォークでピッピッピッと押さえてとめ、卵液を塗ってナイフで2か所ほど空気穴を。この卵液、砂糖をほんの少し入れると、きれいな焼き色がつきやすくなりますよ。
200℃のオーブンに入れたらじーっとオーブンの前でパイを見守りましょう。ぷ〜っとふくらんで、ツヤツヤといい焼き色がついてきて、いいにおいが流れてくるのを見るのってとても楽しい。あとは焼き上がりを待つばかり。
たっぷりのサラダを添えて盛りつければ、レストランみたいな一皿が。さぁ、これを食卓に出したあとは、ザクッとナイフで切るところを見届けなくては。クンクンと香りを堪能しているお客様の顔を見るのが私は好き。幸せの顔ってこんな表情かなっていつも思います。
※詳しい分量とつくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2018年12月号より
- 『NHKきょうの料理ビギナーズ 2018年 12 月号 [雑誌]』
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