ジューシーな豚肉あんに爽やかなバジル! 夏の香り餃子

撮影:野口健志
坂田阿希子(さかた・あきこ)さんの大人気連載「サカタメシ」。今月は、暑い夏の夜にぴったりな餃子をつくってくれました。

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そのでき上がりを目にしただけで胸躍り、急に胃にどかっと隙間があいてくるような食べ物。その王様はなんといっても焼き餃子(ギョーザ)ではなかろうか。雑誌の焼き餃子特集などを見た日には、今夜は絶対に餃子!と強く決意する。
焼き餃子は焼き色がとにかく命。焼きたてアツアツの餃子を口に入れ、冷たいビールでキューッと流し込み……と想像すると、あぁ、今すぐに食べたくなっちゃいます。
今回ご紹介するのは「夏の香り餃子」。
定番の豚肉のあんに爽やかなバジルの香りを忍ばせます。それに、きゅうりやトマトを薬味としてたれと一緒に添えれば、いつもの焼き餃子が爽やかでさっぱりとした夏の餃子になります。
餃子はほおばったときに、ピュッと肉汁がほとばしるほどジューシーなのがいい。これ、野菜をとにかくたっぷり入れることが重要です。まず、キャベツ1/2コをみじん切りにし、塩でもんでしっかり水けを絞ります。塩もみすることで余分な水分が抜け、ひき肉となじみやすくなります。
香味野菜はしょうがたっぷりに、にんにく少々、小口切りの細ねぎも加えます。バジルの葉は刻まずに包むと、かんだときにさらに香りが広がる餃子になりますよ。
豚ひき肉には、少しだけ手間をかけましょう。通常の豚ひき肉だけでなく、豚の肩ロースやバラ肉などの塊肉(薄切りでもかまいません)をたたいて混ぜます。もちろん豚ひき肉だけでもOKですが、もしも余っている薄切りや塊のお肉があれば、ぜひ一緒に混ぜてみて。こうすると、独特の歯ごたえが楽しめます。
もう一つ、そのひき肉にまず、水をもみ込むとさらにジューシーに。ほかのひき肉料理でも使えるテクニックですので、ぜひ試してみてください。
すべての材料を練り合わせ、調味料とサラダ油を加えて混ぜます。サラダ油を混ぜるのも、お肉をパサつかせずにしっとり仕上げるポイント。
餃子の皮にバジルの葉を1〜2枚、肉ダネを置いたらひだを寄せながら包みます。
最も重要なのは焼き方。命の焼き色をしっかりつけなくては。フライパンにサラダ油をひいて中火で軽く温め、餃子を放射状に並べていきます。底面にうっすらと焼き色がついたら水を入れるタイミング。120〜130mlの水をジャーッと加え、ふたをします。フツフツと沸騰してくる水の音が「ブツブツ」という感じになったらふたを取り、強火にします。少し残った水けをここで一気にとばす。
そして、ごま油(白)を鍋肌から回しかけて焼き面の温度を上げ、いい感じの焼き色になったら、お皿をひっくり返してのせ、「ヨッ!!」と掛け声をかけてひっくり返しましょう。
胸躍る焼き色の餃子がずらりと並んだでき上がり。ここで大歓声が巻き起こること間違いなし! あとは冷たいビールを注げば完璧です。
あ! そしてやっぱり白いご飯もお忘れなく!
※詳しい材料とつくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2018年8月号より

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