加藤一二三九段の「残り何分?」攻勢に遭った佐藤紳哉七段

撮影:藤田浩司
佐藤紳哉(さとう・しんや)七段も、奨励会時代には記録係を務めていました。記録を取った中で、特に印象深い対局について語っていただきました。

* * *

記録係は奨励会員の大事な仕事です。対局を特等席で見られるので、貴重な勉強の機会でもあります。ただ、長考派の棋士は盤面がなかなか動かないので睡魔との戦いに。そして長考するということは、面白い終盤戦になるころは1分将棋になっていることが多く、記録で手一杯。考える暇はありません。
私もいろいろな対局の記録を取りましたが、特に印象に残っているのは大御所の棋士。加藤一二三九段の記録を取ったときは、有名な「残り何分?」攻勢に驚きました。残り1分でも聞いてくるのは本当です。
大山康晴十五世名人はとにかく迫力のある先生でした。私の奨励会入会が平成2年、大山先生が亡くなったのが平成3年。記録を取れたのはいい巡り合わせだったと思います。
■『NHK将棋講座』2018年8月号より

NHKテキストVIEW

NHK将棋講座 2018年 08 月号 [雑誌]
『NHK将棋講座 2018年 08 月号 [雑誌]』
NHK出版
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム