藤井聡太七段の“昇段早すぎ問題“を羽生善治竜王が解決?

観戦記者・後藤元気さんのコラム「渋谷系日誌」は、ファン垂涎の棋士に関する舞台裏エピソードが満載です。今月号では羽生善治竜王との会話を大公開!

* * *

春の風物詩である名人戦は、4勝2敗で佐藤天彦名人が防衛。これで通算3期目となり永世名人(通算5期)が見えてきました。羽生善治竜王は息つく間もなく、棋聖戦そして竜王戦の防衛戦が続きます。第一人者の宿命とはいえ厳しい日程です。
僕は第2局の観戦記を書かせてもらい、対局後の打ち上げの席では羽生善治竜王の隣の席でした。そのときの会話をひとつ紹介しましょう。
後藤(以下、後)「藤井聡太さんの昇段スピードがあまりに早すぎて、地元のお祝いの会がなかなか追いつかないらしいですよ」
羽生竜王(以下、羽)「ははは、なるほど。それはそうですよね」
後「おみやげのために作る扇子も、段位が変わったら困りますし。何かうまい解決法はないですか?」
羽「たとえばなんですけど、もう段位を入れないというのは?」
後「段があるから対応しなきゃいけなくなるということですか。藤井聡太は藤井聡太。肩書はなしと」
結局、藤井七段のお祝いは6月に行われました。いくらなんでも八段昇段はしばらく先……ですよね?
■『NHK将棋講座』2018年8月号より

NHKテキストVIEW

NHK将棋講座 2018年 08 月号 [雑誌]
『NHK将棋講座 2018年 08 月号 [雑誌]』
NHK出版
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム