免疫力を高めるネギのヌルヌル

ヌルヌルの働きは加熱してもなくならない。洗い流さないようにしよう! 撮影:編集部
食卓の名脇役、ネギ。実はすごいパワーを秘めていることをご存じですか? 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門 野菜育種・ゲノム研究領域 ネギ属ユニット長の山田朋宏さん、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門 野菜病害虫・機能解析研究領域 品質機能ユニット長の上田浩史さんにお話を聞きました。

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■免疫力を高めるネギのヌルヌル

地方によっては「アン」、「ヌル」、「ナメ」などと呼ばれる長ネギの葉の中にある粘液。その本体は水溶性ペクチンです。乾燥した時期には、乾いて葉身の中に付着していますが、雨が降ると吸水したり分泌されたりして、量が増えます。この粘液中には、さまざまな物質が含まれています。
じつはこの粘液には、食べた人の免疫系を活性化させる働きがあることがわかっています。それは、粘液に含まれる「マンノース結合レクチン」などの物質の働きではないかと考えられていますが、もちろんネギは、人間のためにこの力を備えているわけではありません。植物にとって、マンノース結合レクチンは、害虫や細菌からわが身を守るための物質なのです。そのパワーをいただくために、葉の中の粘液もぜひ食べましょう。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2018年6・7月号より

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