稲葉陽八段VS.藤井聡太四段の対局から「次の一手」

『NHK将棋講座』2018年5月号の別冊付録は「第67回NHK杯戦 激闘の軌跡」。3回線から決勝戦までの対局から、次の一手形式で局面を紹介しています。本稿では、3回戦第3局の稲葉陽八段 対 藤井聡太四段の対局を見てみましょう。

* * *

千田翔太六段、森内俊之九段と強敵を打ち破ってきた藤井四段(当時)でしたが、本局は苦戦を強いられます。図で稲葉八段に鋭い手が出ました。


■答え:▲3一銀

何も利いていない地点に駒を捨てる▲3一銀(解答図)が、持ち駒の飛車を生かす鋭い一手でした。

金取りなので△同玉と取るしかありませんが、▲5二飛(解答2図)が厳しい打ち込み。この手が7二の金取りと、▲4二銀△3二玉▲5三銀不成△3三玉▲4二飛成の寄せを見ており、先手優勢がはっきりしました。

その後も驚異的な粘りを見せた藤井四段。敗れはしたものの、初出場ながら堂々とした指し回しはインパクト十分でした。
※肩書はテキスト掲載当時のものです。
■『NHK将棋講座』2018年5月号より

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