藤井聡太四段作の27手詰に挑戦!

藤井聡太(ふじい・そうた)四段が飲食店に贈った色紙には、藤井四段が作った詰将棋が書いてあります。観戦記者の後藤元気さんがこの27手詰に挑戦しました。

* * *


盤面の駒が銀4枚、桂と歩が2枚ずつになっていますね。持ち駒は飛車、角2枚、桂。心優しい藤井四段は、しっかり手数まで書いてくれています。えーと、にじゅうななて?
前言撤回。全然優しくない。でも自信のない人はこれで諦めて別の有意義なことができるのだから、ひとつの優しさなのかもしれません。
かくいう僕自身は、決して得意ではないけれど嫌いじゃないので(お酒じゃなくて詰将棋の話)、気持ちを奮い立たせてこの作品に挑戦してみることにしました。
まずパッと目に映るのは、2三からの逃げ道を封じる▲1四角。しかし△2三歩と受けられて足りません。ちょっと実戦的すぎました。
▲3一桂成も詰将棋っぽい手筋ですが、△同玉でやはり詰まない。△同銀なら行けそうなんだけどなぁ。不意にピキーンと第3の王手が見えました。それが▲4一角と捨てて、△同玉に▲7一飛(B図)と迫る順。

なぜピキーンと来たかというと、B図で△5一歩と受けたときに▲2三角△3二合駒▲5三桂(△同銀は▲5一飛成。△5二玉は▲6一飛成)の詰み筋が見えたからです。
なおB図で金などの価値の高い駒を打つと、▲同桂成で詰みます。△5二玉も▲7二飛成以下。また▲2三角のときに△5二玉も、▲7二飛成〜▲6四桂で詰み。7筋に飛車を打った効果が出ています。6一や8一では、こううまくいきません。
したがってB図からは△3二玉と逃げて、▲4一角△2一玉(C図)まではこれしかないところでしょう。

ここで▲2三角成とやって合駒が悪かろうと思ったら、△5一桂と受けられてどうやら詰まず。となると残るは▲5二角成しかなさそう。合駒は分からないので仮にいちばん安く△5一歩と受ける。
そうすると追い方は限られてきます。▲5一同飛成△同銀▲3一桂成△同玉▲2三桂△3二玉▲4三銀不成△2三玉▲4一馬と進んでD図。

ここまで来たら、だいたいのカラクリが見えてきました。D図から△1三玉と取れば▲1四歩△2二玉▲3二馬までの詰み。なので玉方はD図から△3二角のタダ捨てで打ち歩詰めに誘導してきます。
以下▲同馬△1三玉で、持ち駒が角と歩では詰みません。打開するには▲2三馬△同玉▲4一角しかないのですが、△2二玉▲3二角成△1三玉でやはり詰まない。ほかの駒ならその局面は詰みなので、さっき仮に合駒した歩は合っていたようです。
打開のヒントはD図にありました。ここで攻方4一馬が角だったら……。
正解手順は、C図以下▲5二角不成△5一歩▲同飛成△同銀▲3一桂成△同玉▲2三桂△3二玉▲4三銀不成△2三玉▲4一角不成(D図で4一馬が角になった) △3二角▲同角不成△1三玉▲1四歩△2二玉▲2三角成△同玉▲4一角△2二玉▲
3二角成(E図)まで27手詰。

ばたん、きゅう。皆さまに置かれましては、ぜひ盤に並べてこの名作を鑑賞なさってくださいませ。
※肩書はテキスト掲載当時のものです。
■『NHK将棋講座』2018年1月号より

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