石と木で風景を描こう–石づき盆栽のポイント

空洞のある石を荒波に削られた岩壁に見立て、荒々しい海辺の景色を描いた。白骨化した舎利(しゃり)をもつシンパクが厳しい自然と時代を、波打ち際の下草がたおやかな生命力を感じさせる。赤花のチョウジュバイで彩りを添えた。撮影:竹田正道 使用した植物/シンパク、チョウジュバイ、ダイモンジソウ、斑入りセキショウ、コガネシダ、コケ
石づき盆栽では、鉢の代わりに自然石に木や草を植えつけます。石を岩壁や山などに見立てて物語のある景色を描いてみましょう。盆栽家の漆畑大雅(うるしばた・たいが)さんの作品を紹介します。

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■石と木で風景を描く

石づき盆栽の石は、好みの自然石でかまいません。凹凸が多いと植えつけがしやすく、形状を生かして景色も描きやすいでしょう。
木は、今回は常緑で扱いやすい松柏(しょうはく)類を使いましたが、落葉樹の雑木(ぞうき)類や花木類なら、季節感のある景色を描くことができます。いずれも葉の小ぶりな樹種を選ぶと、石との対比で大きな景色に見えます。
根が石に収まれば、石と木の合わせ方に決まりはありません。石と木のボリュームが同じでもよいですし、石より木が大きければ切り取った景色の一部に、木より石が大きければ作品自体が大きな景色になります。自分を縮小して石の前に立ち、感じた景色を描いてください。
■『NHK趣味の園芸』2018年2月号より

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