冬リゾートとしてラン園を楽しむ

撮影:NP-田中雅也
花の少なくなる冬に、最盛期を迎えるラン。世界中から集められた色とりどりの花が咲きそろう温室内は、まるで南国のような雰囲気。冬に楽しめる花のリゾートとして足を運んでみたいラン園の一つ、大場蘭園園主の大場良一さんにその魅力についてうかがってみました。

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■ランの最盛期は冬

初めてラン園に行くなら断然、冬がオススメ。カトレアやコチョウラン、シンビジウム、パフィオペディラムなど色鮮やかな花々が最も多く咲きそろうのがこの季節です。
ふだんあまり目にしない花に出会えるのもラン園のおもしろさです。ランは野生種だけでも2万5千種以上あり、現在進行形で新種が発見され続けています。私の園にもこれまであまり知られてこなかったエクアドル原産のゴンゴラ属など最近発見されたランがあります。世界中から集められた個性豊かな花が一堂に会す温室は、寒風の吹く屋外とは別世界。南国のような非日常的な雰囲気もラン園の魅力です。

■香りをかぐなら朝




ラン園を訪れたら、ぜひ花に顔を近づけて香りをかいでみてください。香水にもなった沖縄のナゴランなど、ランには香りのよい花がたくさんあります。できれば、より強く香る午前中の来訪をオススメします。

■園のスタッフと会話しよう

また、ラン園の人と話すと、一見しただけではわからないランの魅力を深く知ることができるはずです。ランは昆虫に花粉を運んでもらうために花姿を多様に進化させてきた虫媒花の代表ですが、例えばカタセタムという花は、花の中央にハチが止まると粘着質の花粉の塊が勢いよく飛び出し、それがハチの身体に付着し、なかば強制的に花粉を媒介してもらっています。麗しい花姿の裏に隠されたしたたかな戦略もランの魅力の一つです。
お店の人との会話をきっかけに、多種多様なランからお気に入りの花を選んで、ラン栽培を楽しんでください。
■『趣味の園芸』2017年12月号より

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