糸井重里氏が絶賛、ふんばろう東日本支援プロジェクトの西條氏が語った「5%理論」

人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか
『人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか』
西條 剛央
ダイヤモンド社
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 人気漫画『ちはやふる』の末次由紀さんや『ハチミツとクローバー』の羽海野チカさんといった漫画家らが、サイン入り色紙や絵コンテなどを出品して、その落札金を復興支援にするという「マンガ・イラストチャリティーオークション」がヤフーオークションで行われています。

 これは、東日本大震災後にできた被災地支援のボランティア組織「ふんばろう東日本支援プロジェクト」が主催したもので、今回のオークションは、末次さんの呼びかけにより実現しました。

 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」とは、仙台市出身で、自らの親族も被災した早稲田大学院(MBA)専任講師の西條剛央氏が、独自の「構造構成主義」というメタ理論を用い、未経験ながら日本最大級のボランティア組織に成長させたプロジェクトです。

 「物資支援プロジェクト」では、2012年1月時点で3000か所以上の避難所、仮設住宅等に、15万5000品目に及ぶ物資を支援し、アマゾンの「ほしい物リスト」を援用することで2万4000個以上の支援も実施。また、家電プロジェクトでは、行政や日本赤十字社の支援が受けられない個人避難宅をはじめ、2万5000世帯以上に家電を送るなど、オークション以外にも様々な支援をおこなっています。

 このような幅広い活動を行うなかで、西條氏はあるポリシーを持っていると、糸井重里氏との対談のなかで打ち明けています。それは「5%理論」というもの。西條氏は、つねに「5%は仕方ない」と思っているそうです。

 どんなことをしていても批判する人はいますし、失敗する可能性もある。だから、常に完璧を目指さずに「5%は大目に見よう」というスタンスでいるというのです。

 「これを、ゼロに近づけようとすると、リスク管理に膨大なエネルギーを割くことになって、とたんにパフォーマンスが下がるんですよ。だから、最後の5%にはこだわらず、あまり厳密に考えすぎずに、95%のところで、どんどん迅速にやっていくんです。何しろ、スピードが勝負ですからね」(西條氏)

 この背景にあるのは、心理学の統計の仕組み。「5%水準」というものがあり、「5%以下の過誤」なら確率論的によしとしよう、という考え方があるのです。

 人間は95人の人が賞賛していても、5人の人が批判すると、その批判意見をフォーカスし、実際の20倍くらいの重みづけをしてしまいます。そうすると95>5だったものが、95<100(5×20)となってしまい、批判者の意見に引きずられてしまうのです。例えば、批判が多いから支援活動そのものをやめてしまおうという誤った意思決定をしてしまうように。

 西條氏が一つのプロジェクトだけでなく、幅広い支援を継続できているのは、このポリシーがあったから。また、この「5%理論」というものは、ボランティアだけではなく、私たちの生活においても大切な考え方だといえます。

 この対談を終えた後、糸井氏は知的興奮を味わった人特有の満足感をにじみだしていたそうです。

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