「うちって貧乏なの?」と子どもに聞かれたときの模範解答とは
- 『わが子をお金で苦労させない (廣済堂新書)』
- 横山 光昭
- 廣済堂出版
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「子どもにはお金の心配をかけたくない」。世の中の親がよくいうセリフです。そんな気持ちを持つあまり、日本では親が子どもに対して、あえてお金の話をしないのが普通になっている、とファイナンシャルプランナーの横山光昭氏は指摘します。子どもの頃、親の月収やボーナス、年収がいくらで、貯金がどれだけあるか、私たちは把握していたでしょうか。
横山氏は著書『わが子をお金で苦労させない』の中で、子どもに家計の内訳を公開することがマネーリテラシーを磨くための最初の一歩だと主張します。子どもにきちんとした金銭教育を授ける土壌が育っていない日本では、子どもが小さいときから家庭でお金の話をすれば、「金銭教育を受けてこなかったゆえの苦労(浪費、借金、無貯金ゆえの不安など)を味あわせずに済む可能性が高い」と。
筆者には5人の子どもがいますが、小学生以上の彼らのお小遣いは米ドル。「日本に暮らしていながらドルを渡すというのは、はっきり言って不便の極み」だし、両替手数料もばかにならないそうですが、子どもは頭を使わざるをえない状況に置かれます。今では小2の愛嬢もテレビで為替ニュースをチェックしているそうです。
子どもに「うちって貧乏なの?」と問われたとき、何と答えるのが正しいのか。作者のアドバイスは「たとえ貧乏であっても、貧乏だと言ってはいけない」。一見、前述の話と矛盾するようにも思えますが、「貧乏」という"結果"だけを言うことは、非常にリスキーなんだとか。子どもの気持ちを傷つけ、必要以上に落ち込ませたり、コンプレックスを抱かせる原因にもなるといいます。「貧乏ではないけど、頑張る必要はあるんだよ」と伝えることが大事だといいます。逆にお金持ちの場合も、真実は伝えないほうがいいのだそうです。「子どもを調子に乗らせるだけ」と説きます。
日本では個人で破産状態にある人が、全国で150万人いるとも言われています。さまざまな理由があるのでしょうが"お金で苦労しないためのお金の話"は子どものときからするべき、なのかもしれません。