第1回『ダ・ヴィンチ電子書籍アワード』が決定-大賞は"動く絵本"
4月27日、第1回『ダ・ヴィンチ電子書籍アワード』受賞作品が発表されました。
ノミネートされた全16作品の中から、大賞には『ヌヌカの結婚/テロメアの帽子/カルシノの贈り物』(著者/森川幸人 制作/株式会社ムームー)が輝きました。虫たちの生殖活動をシンプルな動く絵本にした作品で、ユルさのあるストーリーと、心地よい音楽、分かりやすい操作性という、電子書籍としてのバランスの良さが評価されての受賞となりました。
文藝賞に選ばれたのは、村上龍氏による『歌うクジラ』。内容への評価に加え、「独自で電子書籍を制作・販売する新会社を設立し、"電子書籍元年"を大きく後押ししたパイオニアとしての姿に票が集まった」ことが受賞へと結びつきました。
他にも『元素図鑑』や『適当日記』など、2010年に話題となった電子書籍計7作品が各賞を受賞。それらは、ただ単純に紙の書籍を電子書籍の形に整えたものではなく、いずれも電子書籍ならではの魅力や機能を持った作品です。
今回の受賞作品のほとんどはiPhoneやiPad、iPod touchというモバイル端末向けにつくられたもので、残念ながらパソコンでは見られない作品ばかりとなっています。しかし、震災の影響によりアワードの発表が延期された結果、受賞の発表は奇しくも話題の「iPad 2」日本発売日決定のニュースと重なる形で報道されることに。
電子書籍を読んでみたいと思っていても、閲覧可能な端末を持っていないという人にとって、この2つのニュースは端末とコンテンツの両方に手を伸ばしてみるひとつのきっかけとなるかもしれません。
【受賞作品一覧】
◆電子書籍大賞◆
『ヌヌカの結婚/テロメアの帽子/カルシノの贈り物』(著者/森川幸人 制作/株式会社ムームー)
◆電子書籍文藝賞◆
『歌うクジラ』(著者/村上龍 制作/株式会社G2010)
◆電子書籍書籍賞◆
『元素図鑑』(著者/セオドア・グレイ 制作/Element Collection,Inc・株式会社創元社)
◆電子書籍コミック・絵本賞◆
『センネン画報』(著者/今日マチ子 制作/株式会社ネットムーブ)
◆電子書籍特別賞◆
『適当日記』(著者/高田純次 制作/株式会社ダイヤモンド社)
「Jコミ」(制作/株式会社Jコミ)
◆電子書籍読者賞◆
『ママ、読んで!おやすみ前のおとえほん~読み聞かせ日本昔話~』(著者/守時たつみ 制作/エキサイト株式会社)