枠からはみ出す仕事術

枠からはみ出す仕事術
『枠からはみ出す仕事術』
美崎 栄一郎
サンマーク出版
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 不況が続く今の世の中で、深刻なストレスを抱えている人も多いのではないでしょうか。書籍『枠からはみ出す仕事術』の著者・美崎栄一郎さんは、ストレスの原因のほとんどは、就職や転職などにより環境が変わったにも関わらず、「以前の自分」を更新できないことにあると指摘します。

 それはいったいどういうことか。スポーツ選手を例に説明しましょう。

 例えば、野球選手やサッカー選手など、日本から海外に移籍した選手のうち、日本で担当していたポジションと同じポジションでプレーする選手はほとんどいません。中田英寿は、日本では司令塔的なポジションを担っていましたが、イタリアに移籍した際はひとつ下がった守備よりのポジションになりました。日本のサッカーとイタリアのサッカーでは戦い方が違い、チームによって重要視されるポジションや能力が異なっていたからです。

 また、個人プレー意識が強いと言われてきたイチローも、2006年のワールドベースボールクラシックでは、リーダーとしてチームを牽引する役割を見事に果たしていました。こうした実例から、「優秀なプロは、簡単に自分を変える」と美崎さんは言います。

 反対に、多くの人は「プロは、自己流にこだわる」と決めつけがちです。ですが、より高い目標のためなら、これまでのプライドや得てきたものを簡単に捨てることができるはず。そうした人を「本当のプロ」と呼べるのではないでしょうか。

 それはサラリーマンにも当てはまると美崎さん。多くの会社では、サラリーマンは一定期間ごとに役割が変わります。ずっと同じ部署、同じ立場で仕事をしている人の方が少ないものです。営業から総務、人事と部署が変わっても、順調に仕事をこなしている人はプロスポーツ選手と同じように、フェーズ(場)に合わせて自分を変えていける人なのです。

 就職、転職、転勤、結婚、出産など、人の一生にはフェーズが変わるシーンが何度もあります。その際に、思い切って新しい環境に自分を染めてみること。それを意識するだけでも、ストレスは格段に減るかもしれません。

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