SF映画×POV！斬新な設定で人気を博した『クロニクル』

　『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『パラノーマル・アクティビティ』など登場人物目線で描かれるPOV（視点ショット）形式の作品。ホラージャンルでよく使われるのですが、なんとSFジャンルで見つけちゃいました。デイン・デハーン主演の『クロニクル』。SFなのでリアルさに少し欠けるものの、超能力をもった高校生たちがアグレッシブになっていく様はスリル満点です。

　いじめられっ子の高校生、アンドリュー（デイン・デハーン）は、何気ない毎日を記録するため中古のカメラを購入します。そんな彼は、学校一人気のスティーブと、いとこのマットに「面白いものを見つけたからビデオで撮影してほしい」と頼まれ、茂みの奥深くにある巨大な地下洞窟を撮影することに。そのことがきっかけで３人に超能力がやどります。女の子のスカートをめくったり、おもちゃ屋さんで子どもにドッキリをしかけたりと、イタズラを繰り返しながらも、徐々に刺激を求めだした３人。しかし、ドライブ中に後ろからあおり運転をしてきた車に腹を立てたアンドリューが、超能力を使って事故を起こしてしまい......。

　いじめられっ子のアンドリューは、病弱な母と酒浸りの父を持ち、シャイな性格で友達は一人もいないタイプ。父から暴力を振るわれたり、同級生にからかわれたりするのもしっかりビデオに記録しています。そんな彼が超能力を持ったことで、自分は誰よりも強いと思うようになり、暴走開始。その暴れっぷりもなかなかのもので、POVで見るからこそ、アトラクションを体験しているような、ゲームをしているようなそんな感覚になります。少し風変わりなPOV作品をお探しの方はぜひ。

（文／トキエス）