ナマハゲ効果は万国共通。『クランプス 魔物の儀式』
- 『クランプス 魔物の儀式 [Blu-ray]』
- エムジェイ・アンソニー,アダム・スコット,トニ・コレット,アリソン・トルマン,デヴィッド・ケックナー,コンチャータ・フェレル,クリスタ・シュタートラー,マイケル・ドハティ
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「怠け者はいねが、泣く子はいねが」と子どもがいる家を突然訪れたり、街を練り歩くナマハゲ。秋田で昔から行われているこの伝統的民俗行事は、幼い子のちょっとした反抗期・イヤイヤ期に効くとされています。手が焼ける子どもを一発で黙らしてくれるナマハゲのような"親の味方モンスター"、実は海外にも存在していました。映画『クランプス 魔物の儀式』はクリスマスに姿を現すモンスターのお話。
主人公のマックスは、こっそりサンタへ手紙を書く純粋な男の子。クリスマスイブの夜、意地悪な従兄弟たちからサンタ宛の手紙をバカにされたマックスは、怒って破り捨ててしまいます。翌朝、豪雪に見舞われ家に閉じ込められた彼らは、不気味な物音に悩まされます。また、マックスの姉が外へ出たきり帰って来ないことを皮切りに、一人、また一人と突然姿を消していく不可解な出来事が起こり始めるのでした。
本作はヨーロッパ中部の伝説の魔物、クランプスをモチーフにしたもの。昔は怖すぎるためいろんな規制の対象になっていたものの、現代はとってもポピュラー。ドイツやオーストリアではクリスマスシーズンにクランプスの群れが街を練り歩き、夜遅くまで遊んでる悪い子どもたち(たまに大人たち)を棒やホウキで脅し、いい子にはお菓子をあげるのだとか。そんなクランプスやその仲間たちが、マックス家を襲います。しかし、クリスマスということもあり、恐ろしいクリーチャーたちがクリスマスクッキーや天使で、どこか可愛らしい。ただ、子どもが見ると、当分忘れられないレベルの怖さだと思います。ナマハゲ効果大!
今、お子さんがイヤイヤ期に突入しているママさんや、純粋な心を忘れてしまった人にオススメな本作。またホラー映画では珍しい想定外な結末なので、そこにも期待しながら見て欲しいです。
(文/トキエス)