もやもやレビュー

自分の"正しい"という感覚は合っているのか考えるキッカケになる『真実の行方』

真実の行方 [DVD]
『真実の行方 [DVD]』
リチャード・ギア,エドワード・ノートン,ローラ・リニー,ジョン・マホーニー,アルフレ・ウッダード,グレゴリー・ホブリット,ウィリアム・ディール,リチャード・ギア
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

 自分が「正しい」と思っていたことが、実は間違っていて、他人に迷惑をかけてしまったという経験はありませんか? 反省しても思い込みを変えるのは、なかなか難しいですよね。そこで自分の「正しい」という感覚を見直してみるのにオススメなのが、20年前に公開されたリチャード・ギア主演『真実の行方』です。

 リチャード演じるマーティンは、メディアに注目されることが大好きな敏腕弁護士。彼は街の人々から慕われていた大司教が惨殺されたニュースをテレビで知ると、事件の話題性から、容疑者である青年・アーロンに無償で弁護を申し出ます。

 アーロンは昔、お金も住む場所もなく困っていたときに大司教に救ってもらい、父親のように慕っていたと語り、大司教を殺すなんて絶対にありえないと証言します。裁判に勝つため、アーロンのおぼつかない態度、ピュアな瞳を裁判に利用するマーティン。しかし、アーロンには別の人格・ロイが潜んでいることが発覚。多重人格のアーロンを弁護するマーティンが、ラストに目の当たりにする真実が鳥肌級!!

 本作はまさに"衝撃のラスト"というフレーズがピッタリな作品。法廷サスペンスとして今でも十分に楽しめますが、マーティンの「自分が正しい」という考え方が、最後にマーティン自身を苦しめていることに注目してほしいです。エンドロール直前のマーティンの「やっちまった」という表情を見ると、自分の「正しい」という感覚を見直したくなること間違いなしです。

(文/トキエス)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム