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あなたが今飲んでる薬、本当に安全ですか?『サイド・エフェクト』

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 風邪や虫歯、インフルエンザなど、さまざまな症状で病院にかかった時、処方された薬に対して、疑いを持つ人はそう多くないだろう。「医者から処方される=安全」と勝手に思い込んでしまうものだが、疑ってみることも大切だと教えてくれる作品がある。スティーブン・ソダーバーグ監督の引退作としても話題になった『サイド・エフェクト』だ。

 かつてうつ病に悩まされていた美人妻、エミリー。夫がインサイダー取引で収監されたことがきっかけで、うつ病が再発してしまい、精神科医のバンクスに新薬を処方してもらう。しかし、うつ病は徐々に改善されたものの、副作用の夢遊病がひどくなり、なんと無意識状態のまま夫を殺してしまう。罪を問われるのは、果たして殺人を犯したエミリーなのか、新薬を処方した精神科医なのか......最後まで予想できない衝撃的な真実を探り当てるのが、たまらなく面白いサスペンスストーリーだ。

 かなり衝撃的だったのは、エミリーが無意識で、容赦なく夫をナイフで刺し殺すシーン。意識の戻ったエミリーは震え、「自分はやっていない」と証言する。夢遊病もうつ病も、そんなに珍しい病気ではないことから、ふと「もし自分がエミリーの立場だったら?」と考えてしまい、鳥肌が立った。「苦しい病気を早く治したい」と強く思えば思う程、名の通った精神科医から処方された薬を疑うことはしないだろう。

 しかし本編が後半になるにつれ、責任を問われ出した精神科医バンクスが、何に対しても疑いの姿勢を見せるようになる。これが人間の本当の姿なのかもしれない。本作で、ハラハラした展開を楽しむと同時に、疑ってかかることの大切さを改めて感じ取ってほしい。

(文/トキエス)

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